コアサテライト戦略とは?
このような悩みに答えます。
- コアサテライト戦略とは?
- コアサテライト戦略のメリット
- コアサテライト戦略のデメリット
- コアサテライト戦略のポイント
- コアにおすすめの投資対象
- サテライトにおすすめの投資対象
- 投資信託の買い方
- コアサテライト戦略に関するQ&A
コアサテライト戦略は、投資の安定性と成長性を両立させる効果的な方法です。
この戦略は、安定的に運用する「コア」と、リスクをとって高いリターンをめざす「サテライト」を組み合わせることで、リスクを回避しながらリターンの向上をめざす投資戦略です。
ハイリスク・ハイリターンな商品を少数組み込むことで、失敗しても大やけどはしにくく、狙いが当たった時の全体の利益は大きくなります。
本記事では、コアサテライト戦略のメリットやデメリット、おすすめの投資対象について詳しく解説します。
なお、投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
- 三井住友カード利用者:SBI証券
>> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 - 楽天カード利用者:楽天証券
>> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 - au PAY カード利用者:auカブコム証券
>> auカブコム証券のメリット・デメリットについて解説 - dカードまたは上記3つ以外のカード利用者:マネックス証券
>> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説
コアサテライト戦略とは?
コアサテライト戦略は、安定的に運用する「コア」と、リスクをとって高いリターンをめざす「サテライト」を組み合わせることで、リスクを回避しながらリターンの向上をめざす投資戦略です。
コア部分では、市場全体を幅広くカバーするインデックスファンドなどの低リスク・低コストな投資商品に投資することで、土台を固めます。
【コアの主な投資対象】
- 全世界株式:先進国と新興国の株式約3,000〜9,000
- S&P500:時価総額の大きい米国企業500社
- 全米株式:米国のほぼ全ての上場企業約4,000社
一方、サテライト部分では、より高いリターンを狙うため、個別株や高リスクなインデックスファンド、アクティブファンドなどに投資します。
【サテライトの主な投資対象】
- 個別株:特定の一つの企業が発行する株式
- 高リスクなインデックスファンド:インデックス投資とは、日経平均株価やS&P500など特定の株価指数に連動するように運用される手法。特定の株価指数に連動する投資信託はインデックスファンドと呼ばれる。高リスクなインデックスファンドとして、ナスダック100やFANG+が挙げられる。
- アクティブファンド:アクティブ投資とは、銘柄の選定・調整を行うことで目標とする株価指数の成果を上回ることを目的とした手法。積極的に銘柄の選定・調整を行う投資信託はアクティブファンドと呼ばれる。
ハイリスク・ハイリターンな商品を少数組み込むことで、失敗しても大やけどはしにくく、狙いが当たった時の全体の利益は大きくなります。
コアサテライト戦略での比率
投資配分においては、コア:サテライトの比率を9:1から7:3の範囲に収めることが理想的です。
コアの割合が9:1を超えて高くなる場合、サテライトの保有による効果が薄れてしまい、全体のバランスを考えるとあまり意味がありません。
一方で、サテライトの割合が7:3を超えて多くなると、ポートフォリオ全体のリスクを抑えるのが難しくなり、安定性が損なわれる可能性があります。
このため、9:1から7:3の範囲内でコアとサテライトの比率を調整することで、リスクとリターンのバランスをうまく取ることが可能です。
コアサテライト戦略のメリット
コアサテライト戦略のメリットは以下の2つ。
- リスクを分散できる
- 柔軟な運用が可能
①リスクを分散できる
コア・サテライト戦略では、「コア」と「サテライト」に分けることで、異なるリスクレベルの資産を組み合わせて運用します。
コア部分では、市場全体を幅広くカバーするインデックスファンドなどの低リスク・低コストな投資商品に投資することで、土台を固めます。
一方、サテライト部分では、より高いリターンを狙うため、個別株や高リスクなインデックスファンド、アクティブファンドなどに投資します。
このようにして、コア資産の安定性が土台となり、サテライト部分で積極的にリスクを取ることで、全体的なリスクをうまく分散させることができるのです。
②柔軟な運用が可能
サテライトでは、市場の動向に合わせた機動的な資産配分が行えるため、相場の変化や経済環境の変動に対応しやすいです。
たとえば、急成長が見込まれる産業や企業に投資することで、リターンを最大化するチャンスを掴むことができます。
さらに、コア・サテライト戦略は、投資の目的やリスク許容度に応じて比率を調整できる点も魅力です。
安定を重視する場合はコアの割合を高めに設定し、逆に積極的なリターンを狙う場合はサテライトの割合を増やすといったように、個々の投資方針に応じたカスタマイズが可能です。
コアサテライト戦略のデメリット
コアサテライト戦略のデメリットは以下の2つ。
- 手数料が増える可能性がある
- サテライトの投資判断が難しい
①手数料が増える可能性がある
コアサテライト戦略では、基本的なポートフォリオである「コア」と、リスクを取ってリターンを追求する「サテライト」を組み合わせて投資を行います。
この際、投資信託を保有すると信託報酬という手数料が発生し、コアとサテライトの両方で複数の投資信託を保有する場合、信託報酬の負担が増大します。
特に、サテライトとして選択されることが多いアクティブファンドは、一般的に信託報酬が高く設定されているため、トータルの手数料がさらに増加する可能性があります。
また、個別株に投資する際にも、複数の株式を取引することで取引手数料がかさみ、全体の投資リターンが圧迫されるリスクも存在します。
②サテライトの投資判断が難しい
コアに相当するような分散効果を持つ投資商品はそれほど多くありません。
全世界株式やS&P500、全米株式の3つぐらいでしょう。
一方で、サテライトの選択肢は、個別株や高リスクなインデックスファンド、アクティブファンドなど、多岐にわたります。
このような多様性は一見すると魅力的ですが、逆に選択肢を誤ると全体のリターンを押し下げてしまうリスクがあります。
そのため、サテライトにどの投資商品を選ぶかは非常に重要であり、慎重な判断が求められます。
コアサテライト戦略のポイント
コアサテライト戦略のポイントは以下の2つ。
- コアだけでもいい
- 個別株やアクティブファンドでなくても良い
①コアだけでもいい
コアに当てはまる全世界株式やS&P500、全米株式などもそれなりにリスクがあります。
以下の表は、2010年12月末から2023年12月末までの価格変動性(リスク)を示したものです。
米国株式、日本株式、先進国株式、新興国株式の価格変動性はどれも18~19%であり、これは年間リターンが平均から±18%の範囲で変動することを意味します。
この変動の範囲が大きいほどリスクが高いとされ、価格変動性が18~19%ということは、資産の価格が比較的広い範囲で上下することを示しています。
そのため、全世界株式やS&P500、全米株式などをコアとするのであれば、コアだけでも十分リスクを取れていると言えるでしょう。
②個別株やアクティブファンドでなくても良い
一般的に、サテライトの主な候補は個別株やアクティブファンドですが、高リスクなインデックスファンドも選択肢の1つです。
個別株の場合、1つ1つの企業について詳細に調査し、定期的に売買のタイミングを図る必要があり、手間がかかる点がデメリットです。
また、アクティブファンドの場合、手数料が高く設定されているため、長期的なパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。
その点、高リスクなインデックスファンドであれば、手数料が比較的低く設定されていることが多く、コストを抑えながらもリスクを取った攻めの投資が可能です。
高リスクなインデックスファンドには、ナスダック100やFANG+などがあります。
これらのインデックスファンドは、成長性の高い企業や特定の業種に集中しているため、リターンの潜在力が大きい一方で、価格変動のリスクも高いのが特徴です。
さらに、これらの高リスクなインデックスファンドは、アクティブファンドのようにファンドマネージャーの手腕に左右されることがなく、指数そのものの成長に連動します。
したがって、サテライトに高リスクなインデックスファンドを選ぶことで、効果的なリスク分散と成長性を両立させることが可能です。
コアにおすすめの投資対象
コアにおすすめの投資対象は以下の3つ。
- 全世界株式
- S&P500
- 全米株式
①全世界株式
全世界株式は複数ありますが、主に「MSCI ACWI(MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス)」または「FTSE GACI(FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス)」に連動するよう運用されています。
MSCI ACWI | FTSE GACI | |
国・地域 | 先進国:23ヵ国 新興国:24ヵ国 | 先進国:25ヵ国 新興国:24ヵ国 |
株式の分類 | 大型株、中型株 | 大型株、中型株、小型株 |
銘柄数 | 約3,000 | 約9,000 |
MSCI ACWIは、大型株と中型株のみで構成され、銘柄数は約3,000ですが、FTSE GACIは大型株と中型株に加えて時価総額が小さい小型株も含み、銘柄数は約9,000ほど。
ただ、どちらのインデックスも先進国と新興国の株式に幅広く投資できる点は共通しています。
利回り
ACWIの利回りは以下のとおり。
平均利回りは8〜10%と言えるでしょう。
おすすめの投資信託
おすすめは三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」という投資信託です。
全世界株価指数「ACWI」に連動するインデックスファンドで、先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。
人気・知名度が高く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year」では5回連続(2019年〜2023年)で第1位に輝いています。
そんなオルカンは、強い国には多く投資して弱い国には少なく投資する「時価総額加重平均」を用いています。
現在は米国が全体の62.3%を占め、日本は5.5%、英国は3.7%となっていますが、新興国がさらに成長すれば比率は大きく変わります。
②S&P500
S&P500は、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している主要500銘柄の時価総額を加重平均し、指数化したものです。
簡単に言うと、米国の証券取引所に上場している時価総額の大きい企業を500社集めたものですね。
S&P500にはGAFAやマイクロソフトなど米国を代表する企業が名を連ねているので、S&P500に連動する投資信託を購入することで米国企業上位500社に投資するのと同じ効果が得られます。
S&P500は株価指数を意味し、それに連動する投資信託として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天S&P500インデックスファンド」などがあります。
利回り
S&P500の利回りは以下のとおり。
【S&P500の利回り】
- 過去1年:35%
- 過去3年:23.8%
- 過去5年:20.9%
- 過去10年:16.8%
- 過去15年:18.6%
- 過去20年:11.5%
- 過去30年:11.2%
参考:myINDEX
平均利回りは11〜15%と言えるでしょう。
おすすめの投資信託
おすすめの投資信託は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
投資信託は約6,000本存在しますが、その中で純資産額はトップの3兆9000億円となっています。
手数料はほぼ最安であり、リターンも指数とかけ離れることなく高い水準を保っています。
特にこだわりがなければ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資しておくのが無難です。
③全米株式
全米株式は「CRSP US トータル・マーケット・インデックス」に連動することを目的としています。
CRSP US トータル・マーケット・インデックスは、米国市場で投資可能な銘柄のほぼ100%を対象とする指標です。
銘柄数は約4,000ほどで、中型株や小型株(時価総額の小さい銘柄)も含みます。
この指数に連動するように設計された投資信託やETFに投資することで、米国市場にある株式ほぼ全てに投資可能。
利回り
全米株式の利回りは以下のとおり。
- 過去1年:45%
- 過去3年:21.6%
- 過去5年:21.2%
- 過去10年:16.2%
- 過去15年:18.4%
- 過去20年:11.9%
平均利回りは11〜15%と言えるでしょう。
おすすめの投資信託
おすすめの投資信託は、楽天全米株式インデックスファンド(楽天VTI)です。
純資産額は全米株式の中で最も大きく、2017年から運用されており、運用実績も豊富です。
手数料は若干高いですが、安心感のある楽天全米株式インデックスファンドに投資した方が無難と言えます。
ただ、運用歴が短くても手数料が安い方が良いなら、SBI・V・全米株式インデックスファンドを選ぶと良いでしょう。
サテライトにおすすめに投資対象
サテライトにおすすめに投資対象は以下の4つ。
- ナスダック100
- FANG+
- インド株
- SOX指数
①ナスダック100
ナスダック100は、ナスダック(NASDAQ)に上場している企業のうち、金融業を除く上位100社から構成された株価指数です。
ナスダック全体とは異なり、ハイテク・IT関連の大手企業が多く含まれています。
そのため、ナスダック100は米国のテクノロジー・IT企業を中心とした株価指数とも言えます。
アップルやマイクロソフトなどの大手企業だけでなく振興の中小企業も含まれており、利回りは米国を代表する株価指数のS&P500よりも高いです。
また、時価総額加重平均型を用いており、時価総額が大きいほど組み入れ比率が大きくなります。
利回り
ナスダック100の利回りは以下のとおり。
【ナスダック100の利回り】
- 過去1年:54.8%
- 過去3年:23.8%
- 過去5年:27%
- 過去10年:21.8%
- 過去15年:22.8%
- 過去20年:15.5%
- 過去30年:15.1%
参考:myINDEX
平均利回りは15〜20%と言えるでしょう。
おすすめの投資信託
おすすめの投資信託は、ニッセイNASDAQ100インデックスファンドとiFreeNEXT NASDAQ100インデックスです。
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは純資産額が大きくて手数料が安いことに加え、短いですが運用実績があります。
手数料は楽天やPayPay投信の方が安いですが、これらの投資信託は純資産額が少ない上に運用実績がありません。
ニッセイNASDAQ100インデックスファンドに投資した方が無難です。
ただ、手数料が少し高くても運用歴が長くて安定している方が良いなら、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスを選ぶと良いでしょう。
②FANG+
FANG+はフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字をつないだ「FANG」に、以下の企業6社を加えた株価指数のことです。
- アップル
- エヌビディア
- クラウドストライク
- マイクロソフト
- ブロードコム
- サービスナウ
以前は中国企業のテンセントとバイドゥが名を連ねていましたが、現在は米国企業のみとなっています。
FANGの4銘柄は固定かと思われますが、その他6銘柄については今後も定期的に構成銘柄が入れ替えられるでしょう。
主な特徴は、とりわけ大きな影響力と知名度をもつ少数の企業のみで構成されている点です。
そのため、S&P500やナスダック100よりもパフォーマンスが高くなっています。
また、時価総額の大きさに関係なく、どの銘柄も9~10%の比率で均等に組み入れられています。
利回り
FANG+の利回りは以下のとおり。
- 2014年:5.5%
- 2015年:30.3%
- 2016年:11.3%
- 2017年:53.3%
- 2018年:-11.8%
- 2019年:40.8%
- 2020年:87.4%
- 2021年:32.3%
- 2022年:-30.9%
- 2023年:111.8%
FANG+の利回りは変動が大きく、過去10年間の平均利回りは26.6%です。
おすすめの投資信託
iFreeNEXT FANG+インデックスは、2018年から運用が開始された投資信託です。
大和アセットマネジメントが運用しており、目標とする指数はニューヨーク証券取引所が算出する「NYSE FANG+指数」です。
急成長を遂げるこれらの企業のパフォーマンスを反映することで高い成長が期待されています。
なお、国内でFANG+に直接投資できる投資信託は、このiFreeNEXT FANG+インデックスのみとなっています。
③インド株
インドは新興国の中でも今後大きく経済成長する国として注目を集めています。
【インドが注目される理由】
- 人口世界一
- GDPが世界3位になる
- 生産年齢人口の増加
- 株式市場が右肩上がり
そんなインド株の代表的な株価指数として、「SESEX」と「Nifty50」の2つがあります。
SENSEX | Nifty50 | |
構成銘柄数 | 30 | 50 |
構成銘柄 | ボンベイ証券取引所(BSE)に上場する上位30銘柄 | インド国立証券取引所(NSE)に上場する上位30銘柄 |
SENSEXは、インドのボンベイ証券取引所に上場している大手30社から構成される代表的な株価指数です。
この取引所には数千の企業が上場しており、その中でもインドの経済を代表する企業が選出され、経済の動向を反映する指標として機能しています。
また、Nifty50は、インド国立証券取引所(NSE)に上場している大手50社の株式で構成される代表的な株価指数です。
SENSEXと同様に、Nifty50もインドの経済を象徴する主要な企業のパフォーマンスを反映しています。
利回り
SENSEXの利回りは以下のとおり。
- 過去1年:21%
- 過去3年:13.3%
- 過去5年:14.7%
- 過去10年:12.5%
- 過去15年:14.6%
- 過去20年:13.3%
- 過去30年:9.7%
参考:myINDEX
また、Nifty50の利回りは以下のとおり。
- 過去1年:9.4%
- 過去3年:14.4%
- 過去5年:11.9%
- 過去10年:13%
- 過去15年:13.3%
- 過去20年:13.2%
参考:myINDEX
平均利回りは10〜15%と言えるでしょう。
おすすめの投資信託
特にこだわりがなければ、iFreeNEXTインド株インデックスがおすすめです。
インド株に投資できる投資信託の中で純資産額が最大であり、純資産額が大きいことは、安定した運用が期待できる要素の一つです。
また、手数料は最安ではないものの、他のファンドと比べても標準的な水準を維持しており、コスト面での安心感もあります。
さらに、このファンドは運用開始からまだそれほど長期間が経っていないものの、利回りが最も指数に近いパフォーマンスを発揮しています。
投資信託選びにおいて、目標とする指数に忠実な運用は大きなメリットと言えるでしょう。
主要ネット証券で購入可能な点も、手軽に投資を始めたい人にとって大きな魅力です。
④SOX指数
SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)は、フィラデルフィア証券取引所が算出・公表している、半導体業界に焦点を当てた株価指数です。
主に半導体を設計・製造する30の企業で構成され、代表的な企業には、インテル、エヌビディア、AMD、クアルコムなどが含まれています。
SOX指数を見ることで、米国における半導体関連銘柄のパフォーマンスや市場動向を迅速に把握できます。
また、半導体業界の動向を把握することは、全体的な景気の動向を理解するためにも非常に有効です。
一般的に、半導体業界が好調である場合、テクノロジーを中心とする幅広い産業が順調に推移していると見なされ、景気全体も良好だと判断されることが多いです。
なお、時価総額加重平均型を用いており、時価総額が大きいほど組み入れ比率が大きくなります。
利回り
SOX指数の利回りは以下のとおり。
- 2015年:-0.9%
- 2016年:32.7%
- 2017年:34.9%
- 2018年:-10.4%
- 2019年:63.2%
- 2020年:40.8%
- 2021年:63.7%
- 2022年:-26.1%
- 2023年:42.6%
過去9年間の平均利回りは26.7%です。
おすすめの投資信託
ニッセイSOX指数インデックスファンドがおすすめです。
SOX指数に投資できる投資信託として、以下の2つがあります。
ニッセイSOX | 楽天SOX | |
純資産額 | 380億円 | 130億円 |
手数料 | 0.1815% | 0.176% |
新NISAの対象 | つみたて投資枠:× 成長投資枠:◯ | つみたて投資枠:× 成長投資枠:◯ |
楽天SOXインデックスファンドは手数料が低いものの、ニッセイSOX指数インデックスファンドには他にも注目すべきポイントがあります。
まず、ニッセイSOX指数インデックスファンドの設定日は2023年3月31日であり、楽天SOXインデックスファンドの設定日である2024年1月30日よりも運用歴がわずかに長い点が挙げられます。
また、純資産額においてもニッセイSOX指数インデックスファンドの方が大きいことから、より安定した運用が期待できるでしょう。
純資産額とは?
純資産総額は組み入れられている株式や債券など資産の時価総額のことで、投資信託の規模を表します。
純資産総額が多いほど多くの人から投資されていることを意味します。
上記の理由から、総合的に見るとニッセイSOX指数インデックスファンドの方をおすすめします。
投資信託の買い方
投資信託の買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
多くのネット証券ではNISA口座での取引手数料が無料になったので、使用するクレジットカードによって証券口座を選ぶと良いでしょう。
NISA口座(非課税口座)とは?
証券口座には課税口座(一般口座と特定口座)とNISA口座(非課税口座)があります。
課税口座で投資を行い利益を得たら20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資を行えば税金がかかりません。
- 三井住友カード利用者:SBI証券
>> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 - 楽天カード利用者:楽天証券
>> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 - au PAY カード利用者:auカブコム証券
>> auカブコム証券のメリット・デメリットについて - dカードまたは上記3つ以外のカード利用者:マネックス証券
>> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説
クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
なお、マネックス証券のポイント還元率は1.1%とトップクラスの還元率を誇ります。
三井住友カードや楽天カード、au PAY カードを持っていない方は、マネックスカードを作成してマネックス証券を利用すると良いでしょう。
②投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
コアサテライト戦略に関するQ&A
コアサテライト戦略は意味ない?
コアに当てはまる全世界株式やS&P500、全米株式などもそれなりにリスクがあります。
以下の表は、2010年12月末から2023年12月末までの価格変動性(リスク)を示したものです。
米国株式、日本株式、先進国株式、新興国株式の価格変動性はどれも18~19%であり、これは年間リターンが平均から±18%の範囲で変動することを意味します。
この変動の範囲が大きいほどリスクが高いとされ、価格変動性が18~19%ということは、資産の価格が比較的広い範囲で上下することを示しています。
そのため、コアに当てはまる全世界株式やS&P500、全米株式などだけでも十分にリスクが取れており、無理にサテライトでリスクを取る必要はないでしょう。
コアサテライト戦略での比率は?
投資配分においては、コア:サテライトの比率を9:1から7:3の範囲に収めることが理想的です。
コアの割合が9:1を超えて高くなる場合、サテライトの保有による効果が薄れてしまい、全体のバランスを考えるとあまり意味がありません。
一方で、サテライトの割合が7:3を超えて多くなると、ポートフォリオ全体のリスクを抑えるのが難しくなり、安定性が損なわれる可能性があります。
このため、9:1から7:3の範囲内でコアとサテライトの比率を調整することで、リスクとリターンのバランスをうまく取ることが可能です。
コアサテライト戦略と分散投資の違いは?
- コアサテライト戦略:安定的に運用する「コア」と、リスクをとって高いリターンをめざす「サテライト」をバランスよく配置することで、リスクを回避しながらリターンの向上をめざす
- 分散投資:分散投資は、資産や地域、業種などを分けることで、リスクを低減する
コアサテライト戦略は、安定性と成長性をを重視し、、コアとサテライトに分けるという特定の構造を持ちます。
一方、分散投資はリスクを低減することを主な目的としており、さまざまな資産や地域に投資することが特徴で、特定の構造は持ちません。
なお、分散投資については「分散投資とは?メリットやデメリット、リスクの分散方法について解説」をご覧ください。
まとめ
今回はコアサテライト戦略について解説しました。
- コアサテライト戦略とは?
- コアサテライト戦略のメリット
- コアサテライト戦略のデメリット
- コアサテライト戦略のポイント
- コアにおすすめの投資対象
- サテライトにおすすめの投資対象
- 投資信託の買い方
- コアサテライト戦略に関するQ&A
コアサテライト戦略は、安定的に運用する「コア」と、リスクをとって高いリターンをめざす「サテライト」を組み合わせることで、リスクを回避しながらリターンの向上をめざす投資戦略です。
コアでは、市場全体を幅広くカバーするインデックスファンドなど、低リスク・低コストな商品に投資して安定した基盤を築きます。
一方、サテライトでは、個別株や高リスクなインデックスファンド、アクティブファンドなど、より高いリターンを狙います。
また、投資配分においては、コア:サテライトの比率を9:1から7:3の範囲に収めることが理想的で、これによりリスクを回避しながらリターンを向上させられるでしょう。
なお、投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
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