・ソフトフォークって何?
・ハードフォークって何?
・両者の違いについてわかりやすく教えてほしい
このような悩みに答えます。
- フォークとは?
- ソフトフォークとは?
- ソフトフォークの事例
- ハードフォークとは?
- ハードフォークの事例
- ハードフォークが起きた際の注意点
フォークとは?
フォーク(分岐)とは、1つのブロックの後に複数のブロックが生成された場合に起こる、ブロックチェーンの分岐のことです。
通常、ブロックはマイニングによって生成されますが、意図的にまたは偶発的にほぼ同じタイミングで複数のブロックが生成されるケースがあります。
この時、生成された複数のブロックは別々のチェーンとして枝分かれします。
このように、ブロックチェーンが枝分かれする現象のことをフォーク(分岐)といいます。
なお、フォークにはソフトフォークとハードフォークの2種類があります。
ソフトフォークとは?
ソフトフォークとは、ルール変更前後のブロックチェーンに互換性がある分岐のことです。
ソフトフォークが行われると一時的に新しいバージョンと古いバージョンに分岐します。
しかし、ブロックチェーンが完全に分岐することはなく、最終的には新しいバージョンもしくは古いバージョンのどちらかに収束します。
なお、ソフトフォークが行われる目的は以下の3つ。
【ソフトフォークが行われる目的】
- 仮想通貨のセキュリティを向上させるための新しい暗号技術の導入
- 取引の処理速度を向上させるための改善
- スケーラビリティ(利用者の増大に適応できる度合い)の向上
ソフトフォークはブロックチェーンを改善するための手段の一つであり、ユーザーや開発者にとって新しい機能や利点をもたらすことが期待されています。
ソフトフォークの事例
ソフトフォークの最も一般的な例は、2017年にビットコインネットワークに導入されたSegWit(Segregated Witness)アップデートです。
ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策の1つとして実装されました。
Segwitではブロック容量を変えず、ブロックに入る取引データを縮小することで問題の解決を図ろうとしています。
つまり、従来の取引データ量(旧ルール)と今後の取引データ量(新ルール)で分かれ、結果的に新ルールに収束したということです。
ハードフォークとは?
ハードフォークとは、ルール変更前後のブロックチェーンに互換性がない分岐のことです。
ハードフォークが行われると、新バージョンと旧バージョンに分岐します。
この際、新バージョンと旧バージョンとの間に互換性はなく、両者は全くの別物となります。
永続的に分岐するという点がソフトフォークと異なります。
なお、ハードフォークが行われる目的は以下の3つ。
【ハードフォークが行われる目的】
- ハッキング行為の無効化
- 新しい暗号資産の創出
- スケーラビリティ(利用者の増大に適応できる度合い)の向上
ハードフォークによって保有していた暗号資産の価値や所有権が変化する可能性があるため、ユーザーや開発者にとっては注意が必要です。
ハードフォークの事例
ハードフォークの主な事例は以下の3つ。
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- イーサリアムPoW(ETHW)
①ビットコインキャッシュ(BCH)
ハードフォークの代表例はビットコインキャッシュの誕生です。
2017年8月に、ビットコインからのハードフォークによってビットコインキャッシュが生まれました。
ハードフォークの理由は、スケーラビリティ問題の解決を目指した仕様変更であり、ブロックの容量を1MBから8MBに拡張されました。
なお、その後2018年にさらに4倍の32MBにまで拡張。
②イーサリアムクラシック(ETC)
2016年6月にイーサリアムからイーサリアムクラシックが誕生しました。
誕生した原因は、イーサリアムの取引履歴がハッキング被害を受ける前まで巻き戻されたことです。
この変更に賛同しなかった旧ブロックチェーンを支える人により、イーサリアムクラシックは作成されました。
③イーサリアムPoW(ETHW)
2022年9月に、イーサリアムからイーサリアムPoWが誕生しました。
誕生した原因は、大型アップデートによりイーサリアムのマイニング方法がPoWからPoSに移行したことです。
その際、従来のPoWを支持する人々によって、新たにイーサリアムPoW(ETHW)が誕生しました。
ハードフォークが起きた際の注意点
急激な価格変動
ハードフォークの前後では、新旧通貨の需要に対するさまざまな思惑が働きます。
また、新通貨に適用される改善がうまく機能するかどうかを確認してから取引を行う人もいます。
ハードフォークの状況によって大きく価格が変動する可能性があるため、注意が必要です。
取引所による取引の一時的な停止
ハードフォーク前後に、取引所が対象となる新旧通貨の取引を停止する可能性があります。
取引所としても、新通貨のブロックチェーンが無事に延伸され、取引継続できるかどうかを見極める必要があります。
そのため、ハードフォーク前後の一定期間における売買取引停止や送金停止の情報を、必ず確認しておきましょう。
新通貨の自動付与の有無
暗号資産によってはハードフォークが行われた際に新通貨が自動付与されることがあります。
新通貨が自動付与される場合は、何もしなくても新通貨残高が増加し、旧通貨は保有していた数量が維持されます。
ただし、必ず新通貨が付与されるとは限らないと理解しておく必要があり、新通貨が付与されなかったケースも多いです。
まとめ
今回はソフトフォークとハードフォークの違いや事例について解説しました。
- フォークとは?
- ソフトフォークとは?
- ソフトフォークの事例
- ハードフォークとは?
- ハードフォークの事例
- ハードフォークが起きた際の注意点