・オルカンはリバランスされるの?
・リバランスが必要なケースと不要なケースについても教えてほしい
このような悩みに答えます。
- オルカンの構成比率は調整される
- オルカンのリバランス
- オルカンでリバランスが必要なケース
- オルカンでリバランスが不要なケース
- 現金と国債どっちを持つべき?
- オルカンにおすすめの組み合わせ
- 投資信託の買い方
「オルカンはリバランスされるの?」と悩んでいませんか?
オルカンは時価総額加重平均を用いており、定期的に構成比率が調整(リバランス)されます。
リバランス頻度は年4回(2月、5月、8月、11月)で、その内5月と10月は大規模に行われます。
本記事ではオルカンのリバランスやリバランスが必要なケースと不要なケースについて解説します。
オルカンの構成比率は調整される
オルカンは時価総額加重平均を用いており、定期的に構成比率が調整(リバランス)されます。
以下の表は2009年6月と2023年9月のACWI(オルカンが目標とする指数)の構成比率を比較したものです。
国・地域 | 2009年6月 | 2023年9月 |
米国 | 41.7% | 62.3% |
日本 | 9.9% | 5.5% |
英国 | 8.8% | 3.7% |
フランス | 4.0% | 2.9% |
カナダ | 4.2% | 2.9% |
その他(先進国) | 20% | 12.0% |
新興国 | 11.4% | 10.7% |
構成比率が大きくわり、米国の比率が大幅に上昇していることがわかります。
このようにオルカンでは定期的に構成比率がリバランスされ、リバランスは年4回(2月、5月、8月、11月)行われます。
例を挙げると、2024年5月では121銘柄が除外され、42銘柄が追加されました。
なお、除外された121銘柄の中で中国株が56銘柄含まれ、新たに追加された42銘柄の中でインド株が13株を占めます。
オルカンのリバランス
オルカンが目標にしている指数であるACWIのリバランスについて詳しく解説します。
ACWIでは2月、5月、8月、11月に「クォータリー・インデックス・レビュー(QIR)」という名のリバランスが行われます。
【クォータリー・インデックス・レビュー(QIR)の内容】
- 投資可能な株式リストの更新
- グローバル最低時価総額範囲等の計算
- 大型株・中型株・小型株とその区分の見直し
- 海外組み入れ率や発行済株式数の見直し
また、特定の条件下では、通常のQIRの代わりにライト・リバラシングが行われます。
これは通常のQIRよりも簡素な見直しです。
以下の条件のいずれかが発生すると、指数委員会によってライト・リバラシングに切り替えられるかが判断されます。
- 市場の不安定さを示す特定の基準に達した場合
- 取引所の予期せぬ閉鎖で多くの銘柄が取引停止になった場合
他にも、合併や買収、スピンオフ、倒産、企業再編等のコーポレート・イベントが起きた場合は随時修正されます。
なお、時価総額の33%以上が減少、または、外国人投資可能比率が15%未満になると指数からの除外が検討されます。
その他の構成銘柄が除外されるケース
- 倒産、会社更生法適用申請等
- 再開の見通しの立たない売買停止
- 浮動株(市場で取引できる株)や外国人投資可能株の減少
オルカンでリバランスが必要なケース
オルカンでリバランスが必要なケースは以下の2つ。
- オルカンの比率をそのままにしたい
- 現金比率をそのままにしたい
①オルカンの比率をそのままにしたい
現時点のオルカンの国別構成比率を将来にわたって保持したいと考えているのであれば、リバランスが必要です。
オルカン構成比率は変動するので少なくなった部分を購入することで現在の比率を維持できます。
ただ、現時点の比率を守りたいなら米国、先進国、新興国などに分けられた投資信託をそれぞれ保有すれば良いので、このケースは稀と言えるでしょう。
②現金比率をそのままにしたい
オルカンの他に現金を保有することで資産トータルのリスク調整を行っているとするならリバランスが必要です。
例えば現金とオルカンの比率を50:50と決めている場合、オルカンの比率が積立や値上がりで増えたタイミングで50:50に戻るよう調整しなければなりません。
一方、オルカンが経済危機などにより大きく値下がりした場合は現金から追加投資してオルカンの比率を50まで引き上げる必要があります。
なお、現金とオルカンの組み合わせは非常にシンプルですが、現金ではなく国債の所有がおすすめです。
その理由については後述します。
オルカンでリバランスが不要なケース
オルカンでリバランスが不要なケースは以下の2つ。
- オルカンのみ
- 現金比率を決めていない
①オルカンのみ
オルカンのみを保有している場合であればリバランスは不要です。
オルカンでは時価総額に応じて構成比率が調整されます。
また、オルカンに加えてリバランスされる投資信託を保有している場合も同様です。
②現金比率を決めていない
現金とオルカンの比率を決めていないならリバランスは不要です。
ただ、この場合はオルカンの値上がりや暴落により比率が大きく変動するので注意が必要です。
現金と国債どっちを持つべき?
長期的な資産形成を考えているなら国債がおすすめです。
理由として、現金より国債の方が高利回りの傾向にあることが挙げられます。
現在の銀行の預金金利は0.01%〜0.1%と非常に低く、預けていても増えることはほとんどありません。
今後も銀行の預金金利が大幅に上昇することは考えにくいです。
一方、国債の利回りは現金よりも高い傾向にあり、主要な先進国の国債を集めた債券指数である「FTSE世界国債インデックス」の平均利回りは3.5%〜4.0%です。
先進国の国債は経済破綻が起きる可能性がほぼないことから、現金と同様に低リスクと言えます。
上記の理由から、長期的な資産形成を考えているのなら現金よりも国債の所有をおすすめします。
オルカンにおすすめの組み合わせ
「オルカン+先進国債券」の組み合わせがおすすめです。
国債は低リスクであると同時に現金よりも利回りが高い傾向にあります。
また、株式と国債の値動きは負の相関関係があると言われており、下落・暴落に強いポートフォリオを作るためにも国債を組み入れることは有益です。
なお、おすすめの債券型投資信託は「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」です。
この投資信託は「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」に連動することを目標としています。
国債は信用格付けによってレベル分けされていますが、投資適格債(Baa〜Aaa)のみが対象です。
【国債の信用格付け】
- Aaa
- Aa
- A
- Baa
- Ba
- B
- Caa
- Ca
- C
つまり、日本を除く先進国の信用できる国債にのみ投資を行っています。
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスの手数料
- 購入時手数料:無料
- 信託財産留保額:無料
- 信託報酬:0.154%
- その他:0.01%
- 実質コスト:0.164%
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスの過去の利回り
- 2017年:7.9%
- 2018年:-3.9%
- 2019年:5.2%
- 2020年:4.9%
- 2021年:3.8%
- 2022年:-4.9%
- 2023年:10.8%
- 平均:3.14%
投資信託の買い方
投資信託の買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
多くのネット証券ではNISA口座での取引手数料が無料になったので、使用するクレジットカードによって証券口座を選ぶと良いでしょう。
NISA口座(非課税口座)とは?
証券口座には課税口座(一般口座と特定口座)とNISA口座(非課税口座)があります。
課税口座で投資を行い利益を得たら20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資を行えば税金がかかりません。
- 三井住友カード利用者:SBI証券
>> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 - 楽天カード利用者:楽天証券
>> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 - au PAY カード利用者:auカブコム証券
>> auカブコム証券のメリット・デメリットについて - dカードまたは上記3つ以外のカード利用者:マネックス証券
>> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説
クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
なお、マネックス証券のポイント還元率は1.1%とトップクラスの還元率を誇ります。
三井住友カードや楽天カード、au PAY カードを持っていない方は、マネックスカードを作成してマネックス証券を利用すると良いでしょう。
②投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
まとめ
今回はオルカンはリバランスついて解説しました。
- オルカンの構成比率は調整される
- オルカンのリバランス
- オルカンでリバランスが必要なケース
- オルカンでリバランスが不要なケース
- 現金と国債どっちを持つべき?
- オルカンにおすすめの組み合わせ
- 投資信託の買い方
オルカンは時価総額加重平均を用いており、定期的に構成比率が調整(リバランス)されます。
リバランス頻度は年4回(2月、5月、8月、12月)で、その内5月と10月は大規模に行われます。
また、オルカンの国別構成比率や現金の比率をそのままにしたいのであればリバランスは必要ですが、そうでないのであれば不要です。