オルカンは過去に下落したことがあるの?下落時の対処法ついて教えてほしい
このような悩みに答えます。
- オルカンは下落する?
- オルカンの過去の下落
- オルカンと他の指数の下落比較
- オルカンが下落した時の対処法
- オルカンの下落リスクを抑える方法
オルカンは、全世界の株式に投資する投資信託であり、地理的にも業種的にも広範な分散効果を持つ一方で、市場の動向に大きく影響される性質を持っています。
特に、株式100%で構成されているため、株式市場が急激に下落すると、この投資信託も大きな値動きを見せることがあります。
たとえば、2020年のコロナショック時には、世界的なパンデミックの影響で株式市場が急激に下落し、オルカンも一時的に大幅な損失を被ることとなりました。
長期的には成長が期待される投資信託であるものの、市場の変動により短期的なリスクも避けられません。
本記事では、オルカンの下落や下落した時の対処法、下落リスクを抑える方法について解説します。
なお、オルカンに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
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オルカンは下落する?
以下のグラフは、1988年から2023年におけるACWI(オルカンが目標とする株価指数)のリターン推移を示しています。
2008年のリーマンショック時には、リターンが-50%近くまで急落していることが確認できます。
また、リーマンショック以外の年においても、-10〜20%のリターンを記録する年が複数存在しました。
株式は下落することがあること、世界規模の経済危機によって暴落することをあらかじめ知っておきましょう。
これを知っておくだけでパニックにならずに済みます。
オルカンの過去の下落
2002年:ITバブルの崩壊
2002年に下落した要因は、ITバブルの崩壊です。
1990年代後半から2000年にかけて、インターネット関連企業の株価が急激に上昇し、多くの投資家がこれらの企業に投資を集中させました。
この急騰の背景には、インターネット技術の急成長と、それによるビジネスチャンスの拡大がありました。
投資家たちは、これらの企業が将来の収益を大幅に上げると期待し、その株式に対して高い評価を与えました。
しかし、実際には多くのインターネット関連企業が期待されたほどの収益を上げることができず、そのビジネスモデルや収益の見通しが実際の価値に見合わないことが次第に明らかになりました。
このような状況が続く中で、投資家たちは急速に利益を確保しようとし、株価の急落が始まりました。
結果として、バブルが崩壊し、オルカンを含む関連する株価指数も大きな下落を経験しました。
2008年:リーマンショック
2008年に下落した要因は、リーマンショックです。
2008年9月、アメリカの大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻し、金融システム全体に対する信頼が一気に揺らぎました。
リーマン・ブラザーズの破綻は、投資家たちの間で信用不安を拡大させ、金融機関間での取引に対する信頼が急激に失われました。
その結果、多くの投資家はリスクを回避するために株式市場から資金を引き揚げ、株価は急激に下落しました。
この影響は米国市場に留まらず、世界中の株式市場に波及し、多くの投資家や企業が大きな損失を被ることになりました。
2011年:ヨーロッパの債務危機
2011年に下落した要因は、ヨーロッパの債務危機です。
この危機は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなどのユーロ圏諸国の財政問題が深刻化する中で顕著になりました。
これらの国々は、過剰な財政赤字や高い公的債務を抱え、金融市場からの信頼を失い始めました。
特にギリシャの債務不履行の危機が広く報じられ、ユーロの安定性に対する懸念が高まりました。
ヨーロッパ経済の不安定さは、国際的な投資家の信頼を損ね、リスク回避の動きが強まる結果となりました。
こうした状況は、オルカンを構成する企業の株価にも影響を与えました。
2018年:米中貿易摩擦
2018年に下落した要因は、米中貿易摩擦です。
米国と中国の間で貿易交渉が激化し、両国は相互に高関税を課すという対抗措置を取りました。
この貿易摩擦の激化は、世界的な貿易の不安定性を引き起こし、国際市場全体に対する信頼感を揺るがしました。
特に、米国と中国はともに世界経済において重要な役割を果たしており、両国の貿易摩擦はサプライチェーンがグローバルに展開されている企業や国々に大きな影響を及ぼしました。
このため、投資家たちは経済の先行きに対する不安を感じ、リスク回避の姿勢を強めました。
結果として、世界中の株式市場は売り圧力に直面し、オルカンもその影響を受けました。
2022年:コロナと金利の上昇
2022年に下落した要因は、コロナと金利の上昇です。
まず、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、多くの国や地域で経済活動の停滞を引き起こしました。
ロックダウンや移動制限、企業の一時的な閉鎖により、グローバルなサプライチェーンが混乱し、多くの産業が大きな打撃を受けました。
この経済の停滞は株式市場にも大きな影響を与え、オルカンを含む多くの株式指数が大幅な下落を記録。
さらに、コロナに加えて、2022年にはロシアによるウクライナ侵攻が世界経済にさらなる混乱をもたらしました。
この侵攻はエネルギー価格の高騰や供給網のさらなる制約を引き起こし、世界的なインフレを一層加速させました。
その結果、各国の中央銀行はインフレを抑制するために、急速に金利を引き上げる政策を採用。
特に米国の連邦準備制度(FRB)をはじめとする主要国の中央銀行が次々と大幅な利上げを実施し、これが株式市場に対してさらなる負担をかける結果となりました。
金利が上がるとなぜ株式は下落するのか?
金利が上昇すると企業は借入れコストが上昇するため、設備投資の縮小を行います。
また、個人消費でも住宅ローン金利が上昇することから、住宅購入を見送ることも考えられ、企業業績低迷への不安が高まり株価は下落する傾向があります。
オルカンと他の指数の下落比較
S&P500
ACWI(オルカンが目標とする指数)とS&P500の下落を比較した表・グラフは以下のとおりです。
ACWI | S&P500 | |
1990年 | -21.1% | -8.5% |
1994年 | -6.3% | -9.6% |
2002年 | -26.9% | -29.7% |
2008年 | -52.9% | -49.0% |
2011年 | -11.8% | -3.3% |
2018年 | -12.4% | -8.0% |
2022年 | -6.1% | -6.7% |
S&P500とは?
S&P500は、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している主要500銘柄の時価総額を加重平均し、指数化したものです。
簡単に言うと、米国の証券取引所に上場している時価総額の高い企業を500社集めたものですね。
S&P500にはGAFAやマイクロソフトなど米国を代表する企業が名を連ねているので、S&P500に連動する投資信託を購入することで米国企業上位500社に投資するのと同じ効果が得られます。
S&P500は株価指数を意味し、それに連動する投資信託として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天S&P500インデックスファンド」などがあります。
ACWIは、世界中の株式市場を対象にした株価指数で、約3,000銘柄の株式で構成されています。
一方、S&P500は、米国市場における主要な500社の企業を対象とした株価指数です。
このように、ACWIは世界全体をカバーし、S&P500は米国に特化している点で構成が大きく異なります。
しかし、どちらも同じように下落していることがわかります。
これは、S&P500に含まれる米国企業がACWIに占める割合が大きく、世界経済において米国市場が重要な位置を占めているためと考えられます。
ナスダック100
ACWI(オルカンが目標とする指数)とナスダック100の下落を比較した表・グラフは以下のとおりです。
ACWI | ナスダック100 | |
1990年 | -21.1% | -15.4% |
1994年 | -6.3% | -54.7% |
2002年 | -26.9% | -43.7% |
2008年 | -52.9% | -52.9% |
2011年 | -11.8% | -2.% |
2018年 | -12.4% | -6.7% |
2022年 | -6.1% | -23.3% |
ナスダック100とは?
ナスダック100は、ナスダック(NASDAQ)に上場している企業のうち、金融業を除く上位100社から構成された株価指数です。
ナスダック全体とは異なり、ハイテク・IT関連の大手企業が多く含まれています。
そのため、ナスダック100は米国のテクノロジー・IT企業を中心とした株価指数とも言えます。
アップルやマイクロソフトなどの大手企業だけでなく振興の中小企業も含まれており、利回りは米国を代表する株価指数のS&P500よりも高いです。
また、時価総額加重平均型を用いており、時価総額が大きいほど組み入れ比率が大きくなります。
ACWIは、世界中の株式市場を対象にした株価指数で、約3,000銘柄の株式で構成されています。
これに対して、ナスダック100は米国の株式市場におけるテクノロジーやIT企業を中心に構成されており、グローバルではなく特に米国の成長企業に焦点を当てた株価指数です。
1990年代には、ITバブルの影響でナスダック100は非常に大きな変動を見せていました。
しかし、2000年代以降の市場動向を観察すると、ACWIとナスダック100は同じように下落していることがわかります。
これには、テクノロジー企業の成長が米国経済全体に与える影響が強まり、これらの企業がグローバルな市場においても重要な役割を果たすようになったことが関係しています。
日経平均
ACWI(オルカンが目標とする指数)と日経平均の下落を比較した表・グラフは以下のとおりです。
ACWI | 日経平均 | |
1990年 | -21.1% | -38.7% |
1994年 | -6.3% | 13.2% |
2002年 | -26.9% | -18.6% |
2008年 | -52.9% | -42.1% |
2011年 | -11.8% | -17.3% |
2018年 | -12.4% | -12.1% |
2022年 | -6.1% | -9.4% |
日経平均とは?
日経平均(日経平均株価)は、日本を代表する株価指数の一つで、日本経済新聞社が算出しています。
具体的には、日本の代表的な企業225社の株価を基にした指数であり、製造業、金融、通信などさまざまな業種がバランスよく含まれています。
1990年から2000年ごろまでは、どちらも大きな変動を示していました。
特に、1990年ごろはバブル崩壊により日経平均が大きく下落してます。
しかし、2000年以降は、どちらもほぼ同じような下落を見せています。
上記の指数を全て含めた比較
ACWI | S&P500 | ナスダック100 | 日経平均 | |
1990年 | -21.1% | -8.5% | -15.4% | -38.7% |
1994年 | -6.3% | -9.6% | -54.7% | 13.2% |
2002年 | -26.9% | -29.7% | -43.7% | -18.6% |
2008年 | -52.9% | -49.0% | -52.9% | -42.1% |
2011年 | -11.8% | -3.3% | -2.% | -17.3% |
2018年 | -12.4% | -8.0% | -6.7% | -12.1% |
2022年 | -6.1% | -6.7% | -23.3% | -9.4% |
1990年代全体では、各指標の変動が大きく、それぞれ異なる動きを見せていました。
ですが、2000年以降は、いずれの指標もほぼ同様の下落を示し、大きな差は見られません。
2000年以降に同様に下落する要因として、以下の3つが考えられます。
【2000年以降に同様に下落する要因】
- グローバルな金融政策:主要国の中央銀行が同様の政策を採ると、金融市場全体が同じ方向に動くことがあります。例えば、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が低金利政策を採用すると、他の中央銀行もそれに追随することがあります。
- グローバル経済の連動性:2000年に入り、経済のグローバル化が進んだことにより、世界中の株式市場は互いに強く連動するようになりました。企業は国境を越えて経済活動を行っているため、一国の経済状況が他国に大きな影響を与えるようになっています。
- 投資家の心理:大きな経済イベントや危機が発生した際、投資家はグローバルな市場全体で同様の行動を取る傾向があります。リスク回避の動きや投資への慎重さが市場全体に波及し、利回りの動きが似通うことがあります。
これらの要因により、2000年以降の各指数は類似した下落を見せていると考えられます。
オルカンが下落した時の対処法
オルカンが下落した時の対処法は以下の2つ。
- 長期投資する
- ニュースやSNSを見ない
①長期投資する
投資のリスクを抑える最大のコツは、長期投資することです。
なぜなら、一時的に元本割れすることはありますが、長期間保有すれば損失を出しづらいからですね。
下記の図は「資産・地域を分散して積立投資を行なった場合の運用成果の実績【保有期間別(5年、20年)】」を金融庁がまとめたものです。
保有期間が5年だと元本割れが目立ちますが、20年の場合はほとんど元本割れしていないことがわかります。
過去が未来を保証するわけではないですが、長期投資すれば元本割れのリスクを大きく抑えることが可能です。
②ニュースやSNSを見ない
ニュースやSNSでは投資のプロが様々な視点から意見を述べていますが、正直あまり聞く意味はないでしょう。
オルカンのような指数に連動する投資信託に長期間投資することが低リスクであることに変わりありません。
最も避けるべきことは、ニュースやSNSを見て投資をやめてしまうことです。
やめてしまったら損するリスクが高くなります。
特に下落時は動揺して「今は売り時」、「今後はもう伸びない」などの言葉に流さる可能性もあります。
投資で重要なのは長期間続けることなので、無駄にニュースやSNSを見るのは止めましょう。
オルカンの下落リスクを抑える方法
オルカンの下落リスクを抑える方法は、金や国債を持つことです。
上述のとおり、銘柄数を増やしても株式である限り大規模な経済危機が起きると暴落します。
ですが、金は物質そのものに価値があること、国債は国への信頼で成り立っていることから、不況に強い資産となっています。
以下の画像は金の価格の推移です。
経済ショックが起きた2002年、2008年でも価格が下落するどころか上昇しています。
また、以下の表は、2010年12月末から2023年12月末までの価格変動性(リスク)を示したものです。
株式に比べて債券の価格変動性は非常に低く、投資家にとって安定した運用が可能であることがわかります。
どれだけ銘柄数を多くしても株式では分散に限界があるので、金や国債などを組み入れることも考慮してみると良いでしょう。
おすすめのポートフォリオについて知りたい方は「新NISAにおすすめのポートフォリオについて解説」をご覧ください。
ただ、リーマンショックのような経済危機が起きると債券を組み入れてもそれなりに下落します。
まとめ
今回はオルカンの過去の下落や下落時の対処法について解説しました。
- オルカンは下落する?
- オルカンの過去の下落
- オルカンと他の指数の下落比較
- オルカンが下落した時の対処法
- オルカンの下落リスクを抑える方法
2008年のリーマンショック時には、株価がほぼ50%近く急落していることが確認できます。
また、リーマンショック以外の年においても、株式市場は10〜20%程度の下落を経験する年が複数存在しました。
このことから、株式投資には一定のリスクが伴うことを認識することが重要です。
あらかじめこのようなリスクを理解し、投資戦略を冷静に考えることで、感情に流されることなく冷静に対処できます。
株式市場の動向を理解し、長期的な視点での投資を心がけることで、短期的な波乱に影響されにくくなるでしょう。
なお、オルカンに投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
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