S&P500の銘柄入れ替えの頻度や方法は?
このような悩みに答えます。
- S&P500とは?
- S&P500の組入基準
- S&P500の組入銘柄
- S&P500の構成業種
- S&P500の銘柄入れ替えの頻度・方法
- S&P500の銘柄入れ替えが及ぼす影響
「S&P500の銘柄入れ替えの頻度や方法は?」と悩んでいませんか?
結論から言うと、S&P500の銘柄入れ替えは年4回ほど検討され、パフォーマンスが良好な企業は新たに組み入れられる一方、低下した企業は除外されます。
また、銘柄入れ替えが必ず年4回行われるわけではなく、企業の合併や買収、破産、経済環境が急激に変化した場合は入れ替えの頻度が高くなることがあります。
本記事では、S&P500の銘柄入れ替えの頻度や方法について解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、S&P500に投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
- 三井住友カード利用者:SBI証券
>> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 - 楽天カード利用者:楽天証券
>> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 - au PAY カード利用者:auカブコム証券
>> auカブコム証券のメリット・デメリットについて解説 - dカードまたは上記3つ以外のカード利用者:マネックス証券
>> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説
S&P500とは?
名称 | S&P500 |
指数基準日 | 1957年3月4日 |
構成銘柄数 | 500 |
構成銘柄 | 米国の証券取引所に上場している時価総額の大きい企業を500社 |
指数の計算方法 | 浮動株調整後時価総額加重平均 |
銘柄入れ替えの頻度 | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
S&P500は、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどに上場している主要500銘柄の時価総額を加重平均し、指数化したものです。
簡単に言うと、米国の証券取引所に上場している時価総額の大きい企業を500社集めたものですね。
S&P500にはGAFAやマイクロソフトなど米国を代表する企業が名を連ねているので、S&P500に連動する投資信託を購入することで米国企業上位500社に投資するのと同じ効果が得られます。
S&P500は株価指数を意味し、それに連動する投資信託として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天S&P500インデックスファンド」などがあります。
S&P500の組入基準
S&P500の組み入れ基準は以下のとおり。
- 米国企業である
- 時価総額が53億ドル以上
- 四半期連続で黒字利益を維持している
- 株に流動性があり、浮動株が発行済株式総数の50%以上ある
また、S&P500は、米国経済全体を反映することを目的としており、個々の企業のパフォーマンスや規模だけでなく、業種全体のバランスも重要視されます。
そのため、企業が組み入れ基準を満たしていたとしても、特定の業種に偏りが生じるのを防ぐために、選定から外されることがあります。
これはS&P500が単に大型株の集合体ではなく、幅広い業種からバランスよく構成されることで、米国経済の多様性と安定性を反映するための措置です。
このような業種のバランスを確保する仕組みにより、長期的に米国経済全体の動向をより的確に反映することができ、広範な米国経済の成長を享受できる手段としての役割を果たしています。
S&P500の組入銘柄
S&P500の組入上位10銘柄は以下のとおり。
- マイクロソフト
- エヌビディア
- アップル
- アマゾン
- メタ・プラットフォームズ
- アルファベット A
- アルファベット C
- バークシャー・ハサウェイ
- イーライリリー
- ブロードコム
※2024年6月28日時点
また、1990年、2000年、2010年の組入上位10銘柄は以下のとおり。
1990年 | 2000年 | 2010年 |
IBM | GE | エクソンモービル |
エクソンモービル | エクソンモービル | アップル |
GE | ファイザー | マイクロソフト |
アルトリア・グループ | シスコシステムズ | GE |
ロイヤルダッチシェル | シティグループ | シェプロン |
ブリストル・マイヤーズ | ウォルマート・ストアーズ | IBM |
メルク | マイクロソフト | P&G |
ウォルマート | AIG | AT&T |
AT&T | メルク | ジョンソン&ジョンソン |
コカ・コーラ | インテル | JPモルガン・チェース |
S&P500は、パフォーマンスが優れた企業を厳選して組み入れるため、定期的に構成銘柄の見直しが行われます。
これにより、成長が著しい企業が新たに指数に加わる一方で、業績が低迷した企業は除外される仕組みとなっています。
たとえば、1990年代には米国経済において工業や製造業が主要な役割を果たし、これらのセクターの企業が多く含まれていました。
しかし、時代とともに経済構造が変化し、特に情報技術(IT)やサービス産業の成長が顕著になっています。
その結果、現在のS&P500ではIT企業やサービス業の比重が大きくなり、これらの業界が米国経済の牽引役を担っています。
S&P500の構成業種
情報技術 | 32.4% |
金融 | 12.4% |
ヘルスケア | 11.7% |
一般消費財 | 10% |
コミュニケーション・サービス | 9.3% |
資本財 | 8.1% |
生活必需品 | 5.8% |
エネルギー | 3.6% |
公益事業 | 2.3% |
素材 | 2.2% |
不動産 | 2.2% |
各業種の特徴
【情報技術】
- 特徴:最も大きな比重を占める業種。テクノロジー、ソフトウェア、ハードウェア、インターネットサービスなど
- 主要企業:アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、メタ・プラットフォームズ
【ヘルスケア】
- 特徴:医薬品、バイオテクノロジー、医療機器、医療サービスなど
- 主要企業:ジョンソン&ジョンソン、ファイザー、 メルク、ユナイテッドヘルス・グループ
【一般消費財・サービス】
- 特徴:自動車、アパレル、レジャー、インターネットおよびダイレクトマーケティング小売など
- 主要企業:アマゾン、テスラ、ホーム・デポ、マクドナルド
【金融】
- 特徴:銀行、保険、証券、資産運用など
- 主要企業:JPモルガン・チェース,バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス
【コミュニケーション・サービス】
- 特徴:メディア、エンターテインメント、通信サービスなど
- 主要企業:グーグル、メタ・プラットフォームズ、ウォルト・ディズニー、コムキャスト
【資本財】
- 特徴:航空宇宙、防衛、建設、製造業など
- 主要企業:ボーイング、キャタピラー、ハネウェル、ユニオン・パシフィック
【生活必需品】
- 特徴:食品、飲料、家庭用品、タバコなどの生活必需品を提供する企業
- 主要企業:P&G、コカ・コーラ、ペプシコ、ウォルマート
【エネルギー】
- 特徴:石油、ガス、エネルギー設備など
- 主要企業:エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップス
【公益事業】
- 特徴:電力、ガス、水道などの公共サービスを提供する企業
- 主要企業:ネクステラ・エナジー、デューク・エナジー、サザン・カンパニー
【不動産】
- 特徴:不動産投資信託や不動産開発、不動産運営を行う企業
- 主要企業:アメリカン・タワー、プロロジス、サイモン・プロパティ・グループ
【素材】
- 特徴:化学製品、建設資材、パッケージング、金属、鉱業など
- 主要企業:ダウ、シャーウィン・ウィリアムズ、フリーポート・マクモラン
上位から情報技術(32.4%)、金融(12.4%)、ヘルスケア(11.7%)、一般消費財(10%)と続きます。
情報技術の分野には、AppleやMicrosoftといった時価総額の大きい企業が含まれており、これらの企業の業績がS&P500全体の動向に大きな影響を与えています。
情報技術セクターは今後も高い成長が期待されており、他のセクターに比べて相対的な優位性を維持する可能性が高いです。
しかし、金融やヘルスケアといった伝統的なセクターも、その重要性が失われるわけではなく、S&P500全体の安定性を支える存在となっています。
S&P500の銘柄入れ替えの頻度・方法
頻度
S&P500の銘柄入れ替えは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの指数委員会によって、年4回(3月・6月・9月・12月)ほど検討されます。
ただ、これはあくまで検討回数であり、必ずしも毎年4回銘柄の入れ替えが行われるわけではありません。
銘柄入れ替えは、通常、企業の業績や市場価値、経済的な状況に基づいて慎重に行われるため、特定の基準を満たさない場合には入れ替えが見送られることもあります。
一方で、企業の合併や買収、破産、または経済環境が急激に変化するような大きな要因が生じた場合には、緊急的に銘柄の入れ替えが実施されることがあります。
特に、急激な景気の変動や技術革新により特定の企業が急成長した場合や、逆に急速に市場でのシェアを失った場合には、入れ替えの頻度が高くなることがあるのです。
S&P500は、アメリカの株式市場全体を反映するため、経済の変化に柔軟に対応できるような仕組みが求められており、そのための銘柄の見直しも重要なプロセスとなっています。
方法
S&P500の銘柄入れ替えは以下のようなプロセスを経て行われます。
指数委員会の判断
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの指数委員会は、S&P500の銘柄選定を担当する専門家グループです。
この委員会は、定期的な会議を通じて市場の動向や経済の状況を分析し、銘柄の入れ替えの必要性を評価します。
銘柄入れ替えの判断は、企業の市場価値、流動性、業績の安定性など、複数の基準を基に行われます。
例えば、市場価値が著しく変動した企業や、流動性が低下した企業、パフォーマンスが向上した企業が対象となることがあります。
銘柄の選定
新たにS&P500に組み入れられる銘柄は、いくつかの厳格な基準を満たす必要があります。
- 米国企業である
- 時価総額が53億ドル以上
- 四半期連続で黒字利益を維持している
- 株に流動性があり、浮動株が発行済株式総数の50%以上ある
また、S&P500は、米国経済全体を反映することを目的としており、個々の企業のパフォーマンスや規模だけでなく、業種全体のバランスも重要視されます。
そのため、企業が組み入れ基準を満たしていたとしても、特定の業種に偏りが生じるのを防ぐために、選定から外されることがあります。
発表
銘柄の入れ替えが決定されると、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは公式にその情報を発表します。
通常、発表から実施までの期間は数日から数週間ですが、特定の市場状況や企業の動向により、発表と実施のタイミングが短縮されることもあります。
発表は投資家にとって重要な情報となるため、株価の動きに影響を与えることが少なくありません。
実施
基本的には、四半期末(3月、6月、9月、12月)の第三金曜日に新しい銘柄が組み入れられ、同時に旧銘柄が除外されます。
これにより、指数自体の構成が常に市場の変化に対応し、最新の企業状況を反映します。
銘柄の入れ替えは時に市場に大きな影響を及ぼすことがあり、新たに組み入れられる銘柄は、取引量が増加する可能性があります。
逆に、旧銘柄は指数から除外されることで売却圧力がかかり、価格に下落圧力が生じることがあります。
S&P500の銘柄入れ替えが及ぼす影響
対象銘柄の株価変動
新たにS&P500に採用される銘柄は、インデックスファンドやETFがその銘柄を購入するために需要が増え、株価が上昇する傾向にあります。
一方、除外される銘柄はインデックスファンドやETFがその銘柄を売却するために需要が減り、株価が下落しやすくなります。
投資信託とETFの調整
S&P500に連動する投資信託やETFは、組入銘柄が変更されると構成を合わせるために新規採用銘柄を購入し、除外される銘柄を売却します。
このリバランスによって取引コストが発生しますが、これがファンドのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
なお、取引コストはファンドの純資産から支払われるのが一般的です。
市場全体への影響
大量の売買が発生するため、市場の流動性に影響を及ぼします。
特に新規採用銘柄や除外銘柄の売買が活発になるため、その期間中は取引量が増加する傾向があります。
また、インデックスに含まれることはその企業が市場で広く認められた証と見なされるため、新規採用銘柄の信用が向上するでしょう。
投資家への影響
銘柄入れ替えによって投資信託やETFの短期的なパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。
特に除外される銘柄の株価下落が大きい場合、パフォーマンスが悪化するでしょう。
また、一部の投資家はインデックスの銘柄入れ替えに伴う市場の動きを予測し、それに基づいて売買を行うことも考えられます。
まとめ
今回はS&P500の銘柄入れ替えの頻度や方法について解説しました。
- S&P500とは?
- S&P500の組入基準
- S&P500の組入銘柄
- S&P500の構成業種
- S&P500の銘柄入れ替えの頻度・方法
- S&P500の銘柄入れ替えが及ぼす影響
S&P500の銘柄入れ替えは年4回ほど検討され、パフォーマンスが良好な企業は新たに組み入れられる一方、低下した企業は除外されます。
また、銘柄入れ替えが必ず年4回行われるわけではなく、企業の合併や買収、破産、経済環境が急激に変化した場合は入れ替えの頻度が高くなることがあります。
このように銘柄の新陣代謝を行うことで長期間にわたって成長を維持し続けているのです。
なお、S&P500に投資するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
- 三井住友カード利用者:SBI証券
>> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 - 楽天カード利用者:楽天証券
>> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 - au PAY カード利用者:auカブコム証券
>> auカブコム証券のメリット・デメリットについて解説 - dカードまたは上記3つ以外のカード利用者:マネックス証券
>> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説