S&P500と全米株式どっちに投資すべき?両方はあり?
このような悩みに答えます。
- S&P500とは?
- 全米株式とは?
- S&P500と全米株式の違い
- S&P500と全米株式の比較
- S&P500と全米株式どっち?
- S&P500と全米株式両方はあり?
- 投資信託の買い方
- S&P500に関するQ&A
S&P500は米国の証券取引所に上場している時価総額の大きい企業を500社、全米株式は米国のほぼ全ての上場企業約4,000社で構成されます。
全米株式の方がわずかに高いものの、S&P500と全米株式のリターンはほとんど差がなく、どちらを選んでも米国市場の成長を享受することが可能です。
結論から言うと、S&P500がおすすめですが、小規模な企業にも投資し、心理的な不安を減らしたいなら全米株式を選ぶと良いでしょう。
本記事では、S&P500と全米株式の違いやどっちに投資すべきかについて詳しく解説します。
なお、投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
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S&P500とは?
名称 | S&P500 |
指数基準日 | 1957年3月4日 |
構成銘柄数 | 500 |
構成銘柄 | 米国の主要企業500社 |
指数の計算方法 | 浮動株調整後時価総額加重平均 |
銘柄入れ替えの頻度 | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
S&P500は、米国の代表的な株価指数の1つであり、米国の主要企業約500社の時価総額をもとに算出されています。
米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国の経済動向を反映する重要な指標として幅広く利用されています。
S&P500にはGAFAMなどの米国を代表する企業が含まれているため、S&P500に連動する投資信託に投資することで、米国の主要企業500社に投資するのと同じ効果が得ることが可能です。
S&P500に連動する投資信託として「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「楽天・プラス・S&P500インデックスファンド」などがあります。
全米株式とは?
名称 | CRSP US トータル・マーケット・インデックス |
指数基準日 | 2005年12月29日 |
構成銘柄数 | 約4,000 |
構成銘柄 | 米国のほぼ全ての上場企業(小規模企業を含む) |
指数の計算方法 | 浮動株調整後時価総額加重平均 |
銘柄入れ替えの頻度 | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
全米株式は、「CRSP US トータル・マーケット・インデックス」に連動することを目的としています。
CRSP US トータル・マーケット・インデックスは、米国市場で投資可能な銘柄のほぼ100%を対象とする指標です。
銘柄数は約4,000ほどで、中型株や小型株(時価総額の小さい銘柄)も含みます。
この指数に連動するように設計された投資信託やETFに投資することで、米国市場にある株式ほぼ全てに投資可能です。
S&P500と全米株式の違い
S&P500 | 全米株式 | |
銘柄数 | 500 | 約4,000 |
構成銘柄 | ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している全業種から選定された大型株 | 米国のほぼ全ての上場企業(小規模企業を含む) |
米国市場の時価総額カバー率 | 80% | 100% |
構成銘柄の種類 | 大型株 | 小型〜大型株 |
S&P500は、米国を代表する主要企業500社で構成された株価指数であり、米国市場の時価総額の約80%をカバーしています。
主に大型株が中心であり、比較的安定したリターンが期待できるでしょう。
一方、全米株式は米国の上場企業約4,000社から構成され、米国市場全体の時価総額のほぼ100%をカバーしています。
大型株、中型株に加えて、価格変動の大きい小型株が含まれているため、リスクとリターンの幅がやや広がる傾向があります。
S&P500と全米株式の比較
組入銘柄
S&P500と全米株式の組入上位10銘柄の比較は以下のとおり。
S&P500 | 全米株式 | ||
---|---|---|---|
銘柄 | 比率 | 銘柄 | 比率 |
マイクロソフト | 6.9% | マイクロソフト | 6.2% |
アップル | 6.2% | アップル | 5.4% |
エヌビディア | 4.6% | エヌビディア | 3.8% |
アマゾン | 4.1% | アマゾン | 3.3% |
メタ・プラットフォームズ | 2.9% | メタ・プラットフォームズ | 2.2% |
バークシャー・ハサウェイ | 2.0% | アルファベット A | 1.7% |
アルファベット A | 1.8% | バークシャー・ハサウェイ | 1.5% |
アルファベット C | 1.7% | アルファベット C | 1.4% |
イーライリリー | 1.7% | イーライリリー | 1.3% |
ブロードコム | 1.4% | ブロードコム | 1.2% |
若干異なりますが、組入上位10銘柄はどちらもほぼ同じです。
チャート
2001年〜2023年における、S&P500と全米株式のチャート比較は以下のとおり。
緑色の線がS&P500、青色の線が全米株式を示しており、比較すると全米株式の方がわずかに良いパフォーマンスを記録しています。
リターン
期間 | S&P500 | 全米株式 |
過去1年 | 35% | 45% |
過去3年 | 23.8% | 21.6% |
過去5年 | 20.9% | 21.2% |
過去10年 | 16.8% | 16.2% |
過去15年 | 18.6% | 18.4% |
過去20年 | 11.5% | 11.9% |
- 参考:myINDEX
- 全米株式のリターンはCRSP US トータル・マーケット・インデックスに連動する「バンガード・トータル・ストックマーケット ETF (VTI)」のデータを代用
リターンとは?
リターンとは、ある期間における増減率を示す指標です。
年リターンが3%であれば1年間で3%増加、年利リターンが-3%であれば3%減少したという意味です。
リターンは全米株式の方が高いですが、ほとんど同じです。
業種
S&P500と全米株式の組入上位10業種は以下のとおり。
S&P500 | 全米株式 | ||
---|---|---|---|
情報技術 | 32.4% | 情報技術 | 29.2% |
金融 | 12.4% | 金融 | 13.5% |
ヘルスケア | 11.7% | ヘルスケア | 11.9% |
一般消費財 | 10.0% | 一般消費財 | 10.3% |
コミュニケーション・サービス | 9.3% | 資本財 | 9.9% |
資本財 | 8.1% | コミュニケーション・サービス | 8.3% |
生活必需品 | 5.8% | 生活必需品 | 5.6% |
エネルギー | 3.6% | エネルギー | 3.5% |
公共事業 | 2.3% | 不動産 | 2.8% |
素材 | 2.2% | 素材 | 2.5% |
各業種の特徴
【情報技術】
- 特徴:テクノロジー、ソフトウェア、ハードウェア、インターネットサービスなど
- 主要企業:アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、メタ・プラットフォームズ
【ヘルスケア】
- 特徴:医薬品、バイオテクノロジー、医療機器、医療サービスなど
- 主要企業:ジョンソン&ジョンソン、ファイザー、 メルク、ユナイテッドヘルス・グループ
【一般消費財】
- 特徴:自動車、アパレル、レジャー、インターネットおよびダイレクトマーケティング小売など
- 主要企業:アマゾン、テスラ、ホーム・デポ、マクドナルド
【金融】
- 特徴:銀行、保険、証券、資産運用など
- 主要企業:JPモルガン・チェース,バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス
【コミュニケーション・サービス】
- 特徴:メディア、エンターテインメント、通信サービスなど
- 主要企業:グーグル、メタ・プラットフォームズ、ウォルト・ディズニー、コムキャスト
【資本財】
- 特徴:航空宇宙、防衛、建設、製造業など
- 主要企業:ボーイング、キャタピラー、ハネウェル、ユニオン・パシフィック
【生活必需品】
- 特徴:食品、飲料、家庭用品、タバコなどの生活必需品を提供する企業
- 主要企業:P&G、コカ・コーラ、ペプシコ、ウォルマート
【エネルギー】
- 特徴:石油、ガス、エネルギー設備など
- 主要企業:エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップス
【公益事業】
- 特徴:電力、ガス、水道などの公共サービスを提供する企業
- 主要企業:ネクステラ・エナジー、デューク・エナジー、サザン・カンパニー
【不動産】
- 特徴:不動産投資信託や不動産開発、不動産運営を行う企業
- 主要企業:アメリカン・タワー、プロロジス、サイモン・プロパティ・グループ
【素材】
- 特徴:化学製品、建設資材、パッケージング、金属、鉱業など
- 主要企業:ダウ、シャーウィン・ウィリアムズ、フリーポート・マクモラン
構成業種とその割合はほとんど同じであり、S&P500の方がわずかに情報技術の割合が大きいです。
S&P500と全米株式どっち?
S&P500がおすすめ
S&P500と全米株式どっちかで迷ったら、S&P500がおすすめです。
全米株式の方がわずかに高いものの、S&P500と全米株式のリターンはほとんど差がなく、どちらを選んでも米国市場の成長を享受することが可能です。
カバー範囲に関しても、S&P500は米国を代表する企業500社で構成されており、これだけで米国の株式市場全体の約80%を占めます。
全米株式は約4,000銘柄を含んでおり、分散性は高いですが、実際にはその多くが投資リターンに大きな影響を与えることは少なく、主要な利益の源泉となるのはS&P500に含まれる企業群です。
また、銘柄数が増えると、指数の変動に対して正確に連動させることが難しくなる場合があり、全米株式は約4,000銘柄をカバーしているため、運用が複雑になりがちです。
一方で、S&P500は構成銘柄数が500と少なく、指数に対する連動性が非常に高いため、運用がシンプルで効率的です。
これらの理由から、S&P500が優れた選択肢と言え、シンプルな構成ながらも米国経済全体の成長をしっかりと反映する投資が可能です。
全米株式もあり
S&P500がおすすめですが、小規模な企業にも投資し、心理的な不安を減らしたいなら全米株式を選ぶと良いでしょう。
時価総額とは、銘柄の発行済株式数に現在の株価を乗じて算出される指標であり、その銘柄がどの程度の規模なのかを示すものです。
時価総額3000億円以上を大型株、3000億円を中型株、1000億円以下を小型株と分類することが多いです。
S&P500は米国の主要企業500社で構成され、大型株と中型株のみが含まれていますが、全米株式は米国のほぼ全ての上場企業約4,000社で構成され、小型株も含まれています。
どちらも時価総額加重平均を採用しており、時価総額の大きい銘柄ほど比率が大きくなるため、小型株の影響はそれほど大きくありません。
ただ、米国の小型株にも投資することで、「投資対象が幅広く網羅されている」という安心感を得られるでしょう。
そのため、米国の小規模な企業にも幅広く投資し、心理的な不安を減らしたいのであれば全米株式が適しています。
S&P500と全米株式両方はあり?
S&P500と全米株式の両方を保有するのはおすすめしません。
目標とする株価指数は異なりますが、どちらも米国の主要企業に幅広く投資できるという点には変わりありません。
そのため、両方を保有することで特別なリターンの向上が見込めるわけではなく、むしろ重複投資となり運用コストが増えるリスクがあります。
投資信託は運用管理費用(信託報酬)が発生するため、複数のファンドを保有する場合、それぞれに手数料がかかります。
S&P500と全米株式の両方を長期間保有すると、それぞれの信託報酬を支払う必要があるため、コストが積み重なります。
また、投資先がほとんど同じであるため、分散効果はありません。
そのため、長期的な資産形成を目指すのであれば、S&P500か全米株式のどちらかを選択し、シンプルなポートフォリオを構築する方が効率的です。
どちらか1つの投資信託に集中することで、資産運用をシンプルに管理でき、コストの効率化も図ることができます。
投資信託の買い方
投資信託の買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
多くのネット証券ではNISA口座での取引手数料が無料になったので、使用するクレジットカードによって証券口座を選ぶと良いでしょう。
NISA口座(非課税口座)とは?
証券口座には課税口座(一般口座と特定口座)とNISA口座(非課税口座)があります。
課税口座で投資を行い利益を得たら20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資を行えば税金がかかりません。
三井住友カード利用者 | SBI証券 >> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 |
楽天カード利用者 | 楽天証券 >> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 |
au PAY カード利用者 | auカブコム証券 >> auカブコム証券のメリット・デメリットについて解説 |
dカードまたは上記3つ以外のカード利用者 | マネックス証券 >> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説 |
クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
なお、マネックス証券のポイント還元率は1.1%とトップクラスの還元率を誇ります。
三井住友カードや楽天カード、au PAY カードを持っていない方は、マネックスカードを作成してマネックス証券を利用すると良いでしょう。
②投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
S&P500・全米株式に関するQ&A
オルカンとS&P500どっち?
過去30年のパフォーマンスはS&P500の方が良いですが、どっちかで迷ったらオルカンをおすすめします。
長期的な視点で見ると、どの国の株式が好調になるかは時期によって異なり、例えば1980年代は日本、2010年代は米国の株式が大きく伸びました。
しかし、未来にどの国が経済成長を遂げるかを予測するのは難しいため、グローバル分散投資がリスク管理に役立つと言えます。
オルカンは時価総額加重平均を用いた投資信託であるため、企業の時価総額が大きいほどその組入比率が高くなります。
これにより、成長した国や企業は自然と組入比率が増加し、個別の国や企業の成長を予測する手間を省くことが可能です。
現在は米国が全体の62.3%を占め、日本が5.5%、英国が3.7%といった構成ですが、今後もし新興国が急成長すれば、この比率は大きく変動します。
このように、オルカンは国際分散投資の観点で魅力的な選択肢であり、リスクを抑えながら成長する可能性のある市場へ自動的に対応することが可能です。
詳しくは「【徹底比較】オルカンとS&P500どっちに投資すべき?」をご覧ください。
S&P500におすすめの投資信託は?
S&P500におすすめの投資信託は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
S&P500に連動する投資信託の中で純資産額がトップであり、国内の約6,000本の投資信託の中でも最大の純資産額を誇ります。
手数料はほぼ最安であり、リターンも指数とかけ離れることなく高い水準を保っています。
特にこだわりがなければ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資しておくのが無難です。
詳しくは「S&P500に連動するおすすめの投資信託について解説」をご覧ください。
全米株式におすすめの投資信託は?
全米株式におすすめの投資信託は、「楽天全米株式インデックスファンド(楽天VTI)」です。
純資産額は全米株式の中で最も大きく、2017年から運用されており、運用実績も豊富です。
手数料は若干高いですが、安心感のある楽天全米株式インデックスファンドに投資した方が無難と言えます。
ただ、運用歴が短くても手数料が安い方が良いなら、SBI・V・全米株式インデックスファンドを選ぶと良いでしょう。
詳しくは「全米株式に連動するおすすめの投資信託について解説」をご覧ください。
まとめ
今回はS&P500と全米株式どっちに投資すべきかについて解説しました。
- S&P500とは?
- 全米株式とは?
- S&P500と全米株式の違い
- S&P500と全米株式の比較
- S&P500と全米株式どっち?
- S&P500と全米株式両方はあり?
- 投資信託の買い方
- S&P500に関するQ&A
S&P500と全米株式どっちかで迷ったら、S&P500がおすすめです。
全米株式の方がわずかに高いものの、S&P500と全米株式のリターンはほとんど差がなく、どちらを選んでも米国市場の成長を享受することが可能です。
また、銘柄数が増えると、指数の変動に対して正確に連動させることが難しくなる場合があり、全米株式は約4,000銘柄をカバーしているため、運用が複雑になりがちです。
これらの理由から、S&P500が優れた選択肢と言え、シンプルな構成ながらも米国経済全体の成長をしっかりと反映する投資が可能です。
ただ、小規模な企業にも投資し、心理的な不安を減らしたいなら全米株式を選ぶと良いでしょう。
S&P500は米国の主要企業500社で構成され、大型株と中型株のみが含まれていますが、全米株式は米国のほぼ全ての上場企業約4,000社で構成され、小型株も含まれています。
どちらも時価総額加重平均を採用しており、時価総額の大きい銘柄ほど比率が大きくなるため、小型株の影響はそれほど大きくありません。
ですが、米国の小型株にも投資することで、「投資対象が幅広く網羅されている」という安心感を得られるでしょう。
なお、投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
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