オルカンはリバランスされるの?リバランスが必要なケースと不要なケースについても解説

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オルカンはリバランスされるの?リバランスが必要なケースと不要なケースについても教えてほしい

このような悩みに答えます。

本記事の内容
  • リバランスとは?
  • オルカンのリバランス
  • オルカン投資でリバランスが必要なケース
  • オルカン投資でリバランスが不要なケース
  • オルカンに関するQ&A

オルカンは、世界中の株式に分散投資できる優れた投資信託です。

しかし、このグローバルな分散投資を最大限に活かすためには、定期的なリバランスが重要な要素となります。

市場の変動や国ごとの経済状況の変化に伴い、オルカンに組み入れられている資産の比率も時間とともに変わります。

また、オルカンだけでなく、他の資産や投資信託に投資している場合は、個別にリバランスを行う必要があるでしょう。

本記事では、オルカン自体のリバランスの具体的な仕組みや、オルカン投資でリバランスが必要なケース、不要なケースについて解説します。

なお、オルカンを購入するには証券口座を開設する必要があります。

まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。

目次

リバランスとは?

リバランスとは、ポートフォリオ(投資銘柄の組み合わせ)の資産配分を、初めに設定した比率に戻すために行う調整作業です。

たとえば、以下のような配分で投資していると仮定しましょう。

  • 米国株式:40%
  • 日本株式:20%
  • 先進国株式:20%
  • 新興国株式:20%

市場の動向によってポートフォリオのバランスが崩れた場合、値上がりして過剰に増えた資産を売却し、減少している資産を買い増します。

もし仮に、米国株式が50%に増え、日本株式が10%に減った場合、米国株式を10%売却し、その資金で日本株式を10%購入します。

サイト管理人

このように、資産配分が最初に決めた比率からずれた際に、元の比率に戻すのがリバランスです。

なお、あらかじめ配分が定められている投資信託の場合、ファンドマネージャーが定期的にリバランスを行います。

これにより、投資家は自分で資産配分を調整する必要がなく、長期的に目標とするリスクとリターンを維持することが可能。

また、オルカンのような広範に分散された投資信託では、各国や地域ごとの構成比率が市場の変動によって変わるため、リバランスを通じてその比率が調整されます。

オルカンのリバランス

オルカンの構成比率は調整される

オルカンは時価総額加重平均を用いており、定期的に構成比率が調整(リバランス)されます。

時価総額加重平均:時価総額の大きい企業ほど組み入れ比率が大きくなる

以下の表は2009年6月と2023年9月のACWI(オルカンが目標とする指数)の構成比率を比較したものです。

スクロールできます
国・地域2009年6月2023年9月
米国41.7%62.3%
日本9.9%5.5%
英国8.8%3.7%
フランス4.0%2.9%
カナダ4.2%2.9%
その他(先進国)20%12.0%
新興国11.4%10.7%

オルカンの構成比率を確認すると、特に米国の比率が大幅に上昇していることがわかります。

これは、オルカンが市場の動向に合わせて定期的にリバランスを行っているためで、リバランスは年に4回(2月・5月・8月・11月)実施されます。

たとえば、最近の2024年5月のリバランスでは、121銘柄が除外され、42銘柄が新たに追加されました。

参考:Bloomberg

この除外された121銘柄の中で中国株が56銘柄含まれ、新たに追加された42銘柄の中でインド株が13株ほど含まれていました。

中国株の除外は、近年の経済的な課題や規制強化の影響を反映していると考えられる一方、インド株の追加は、急速な経済成長と拡大する中間層の消費力を評価してのものと見られます。

このように、オルカンのリバランスは、グローバルな経済情勢や市場の変動に敏感に反応し、特定の地域に偏らないようにしつつも、成長が期待される市場に適切にシフトすることで、長期的な投資成果の向上を目指しています。

オルカンのリバランス方法

オルカンが目標にしている指数であるACWIのリバランスについて詳しく解説します。

クォータリー・インデックス・レビュー(QIR)

ACWIでは2月、5月、8月、11月に「クォータリー・インデックス・レビュー(QIR)」という名のリバランスが行われます。

【クォータリー・インデックス・レビュー(QIR)の内容】

  • 投資可能な株式リストの更新
  • グローバル最低時価総額範囲等の計算
  • 大型株・中型株・小型株とその区分の見直し
  • 海外組み入れ率や発行済株式数の見直し

参考:MSCI 指数ハンドブック

このリバランスは、インデックスの構成が時価総額や流動性の変化に応じて適切に反映されるよう調整する役割を担っています。

特に5月と11月のQIRでは、規模の大きなリバランスが行われ、市場全体の動向に大きな影響を与えることもあります。

ライト・リバラシング

また、特定の条件下では、通常のQIRの代わりにライト・リバラシングが行われます。

サイト管理人

これは通常のQIRよりも簡素な見直しです。

以下の条件のいずれかが発生すると、指数委員会によってライト・リバラシングに切り替えられるかが判断されます。

  • 市場の不安定さを示す特定の基準に達した場合
  • 取引所の予期せぬ閉鎖で多くの銘柄が取引停止になった場合

参考:MSCI 指数ハンドブック

他にも、合併や買収、スピンオフ、倒産、企業再編等のコーポレート・イベントが起きた場合は随時修正されます。

構成銘柄が除外されるケース

時価総額の33%以上が減少、または、外国人投資可能比率が15%未満になると指数からの除外が検討されます。

また、その他にも以下のようなケースでは、インデックス構成銘柄の除外が検討されることがあります。

【その他の構成銘柄が除外されるケース】

  • 倒産、会社更生法適用申請等
  • 再開の見通しの立たない売買停止
  • 浮動株(市場で取引できる株)や外国人投資可能株の減少

参考:MSCI 指数ハンドブック

これらの基準により、ACWIのインデックスは常に最新の市場状況を反映し、投資家にとって信頼性の高いものとなるように努めています。

オルカン投資でリバランスが必要なケース

オルカン投資でリバランスが必要なケースは以下の2つ。

オルカン投資でリバランスが必要なケース
  1. 国別構成比率をそのままにしたい
  2. 現金比率をそのままにしたい

①国別構成比率をそのままにしたい

現時点のオルカンの国別構成比率を維持したいと考えているのであれば、定期的なリバランスが必要になります。

オルカンは各国の経済状況や市場の変動に伴い、国や地域ごとの構成比率が変わることがあります。

そのため、比率が減少した部分を買い増ししたり、増えすぎた部分を調整することで、現在の比率を維持することができます。

ただ、現時点の国別構成比率を維持したいなら米国、先進国、新興国などに分けられた投資信託をそれぞれ保有すれば良いので、このケースは稀と言えるでしょう。

通常、オルカンのような広範な分散投資を行う投資信託は、長期的な市場の動向に合わせて自然に構成比率が調整されるため、個別にリバランスを行う必要がありません。

現時点の比率を維持するための手動リバランスは、特に強い意志や特定の投資方針を持つ場合に限られるでしょう。

②現金比率をそのままにしたい

オルカンに加えて現金を保有することで、ポートフォリオ全体のリスク調整を行っている場合、定期的なリバランスが必要です。

例えば、現金とオルカンの割合を50:50に設定しているとしましょう。

この場合、オルカンの価値が上昇した際には、その比率が50:50に戻るように調整する必要があります。

具体的には、オルカンを売却して現金を増やすか、追加投資を控えて現金比率を高めることが求められます。

反対に、市場の急落や経済危機によってオルカンが大幅に値下がりした場合には、現金から追加投資を行い、オルカンの比率を再び50%まで引き上げることが重要です。

これにより、安値で資産を購入し、将来的な回復に備える戦略を取ることができます。

オルカン投資でリバランスが不要なケース

オルカン投資でリバランスが不要なケースは以下の2つ。

オルカン投資でリバランスが不要なケース
  1. オルカンのみ
  2. 現金比率を決めていない

①オルカンのみ

オルカンのみを保有している場合には、リバランスは基本的に不要です。

これは、オルカンが時価総額加重方式に基づいて構成されているため、各国や各企業の株価変動に応じて自動的に比率が調整される仕組みになっているからです。

市場全体の動向に応じてオルカン内の構成が変わり、特定の地域や業種に偏りすぎるリスクを分散する役割を果たします。

さらに、オルカンに加えてリバランス機能を持つ他の投資信託を組み合わせて保有している場合も、リバランスは必要ありません。

これらの投資信託は、予め設定された資産配分に基づいて自動的にリバランスされるため、積極的に介入しなくても、バランスの取れた資産配分を維持できます。

このような自動調整機能を活用することで、ポートフォリオの管理にかかる手間を軽減しつつ、リスクとリターンのバランスを効率良く保つことが可能です。

②現金比率を決めていない

現金とオルカンの比率を決めていない場合も、リバランスは基本的に不要です。

ただ、現金比率を決めていない場合、オルカンの値上がりや暴落によってオルカンの比率が大きく変動する可能性があるため、注意が必要です。

具体的には、オルカンの価値が上昇すると、その比率が全体の資産に対して高くなり、ポートフォリオ全体のリスクが増大することがあります。

逆に、オルカンが値下がりすると、その比率が低くなり、現金の比率が相対的に高くなるため、ポートフォリオの成長機会を逃す可能性があります。

サイト管理人

このような変動を理解し、意識しておくことが重要です。

オルカンに関するQ&A

オルカンの利回りは?

オルカンの過去の利回りは以下のとおり。

【オルカンの過去の利回り】

  • 2018年:-7.5%
  • 2019年:26.8%
  • 2020年:9.0%
  • 2021年:32.7%
  • 2022年:-5.6%
  • 2023年:19.6%

参考:三菱UFJアセットマネジメント

詳しくは「オルカンの平均利回りはどれくらい?過去データを基に解説」をご覧ください。

オルカンとS&P500どっち?

オルカンがおすすめです。

S&P500の方が過去の利回りは高いですが、今後も米国が好調とは限りません。

オルカンに投資しておけば伸びた国の割合が自然と大きくなるので、手間暇がかかりませんし、精神的にも楽です。

詳しくは「【徹底比較】オルカンとS&P500どっちを選ぶべき?」をご覧ください。

オルカンはおすすめしない?

「オルカンをおすすめしない」という意見もありますが、オルカンはおすすめです。

【オルカンはおすすめしないと言われる理由】

  • S&P500よりも利回りは低い
  • 個別株ほど大きな成果を得られない
  • リスクの高い新興国が含まれる
  • 株式100%で構成されている
  • 為替の影響を受ける
  • 楽天オルカンよりも信託報酬が高い

詳しくは「オルカンをおすすめしないと言われる理由は?やめといた方がいい?」をご覧ください。

オルカンは過去にどれくらい下落した?

2008年にリーマンショックが起きた際は-50%近くまで下がりました。

また、2011年や2018年のように経済危機がなくても-10〜20%を記録することがあります。

株式は下落することがあること、世界規模の経済危機によって暴落することをあらかじめ知っておきましょう。

詳しくは「オルカンの過去の下落や下落時の対処法について解説」をご覧ください。

まとめ

今回はオルカンのリバランスや、リバランスが必要なケースと不要なケースについて解説しました。

本記事の内容
  • リバランスとは?
  • オルカンのリバランス
  • オルカン投資でリバランスが必要なケース
  • オルカン投資でリバランスが不要なケース
  • オルカンに関するQ&A

オルカンは、時価総額加重平均を用いており、定期的に構成比率の調整(リバランス)が行われています。

リバランスの頻度は年に4回(2月、5月、8月、11月)であり、特に5月と10月には大規模なリバランスが実施されるのが特徴です。

また、特定の条件下では通常のリバランスの代わりに、ライト・リバラシングと呼ばれる調整が行われる場合もあります。

もし国別の構成比率や現金比率をそのまま維持したい場合には、個別にリバランスを行う必要があります。

しかし、オルカンのみを運用している場合や、特に現金比率を定めていない場合には、個別のリバランスは必ずしも必要ではありません。

自身の投資戦略やポートフォリオに合わせてリバランスが必要か検討してみてください。

なお、オルカンを購入するには証券口座を開設する必要があります。

まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。

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