・新NISAのポートフォリオはどうすればいい?
・おすすめのポートフォリオについて教えてほしい
このような悩みに答えます。
- 新NISAはオルカンを中心に投資すべき
- 新NISAにおすすめのポートフォリオ
- 投資信託の買い方
新NISAはオルカンを中心に投資すべき
新NISAでは三菱UFJアセットマネジメントが運営する「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」を中心に投資することをおすすめします。
オルカンをおすすめする理由は以下の7つ。
- 手数料が安い
- 全世界に投資できる
- 伸びる国を予想しなくて良い
- 指数との乖離が小さい
- 純資産総額がトップクラス
- 過去の利回りが高水準
- 最も効率的な投資手法である
①手数料が安い
オルカンは三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託のうち、eMAXIS Slimシリーズと呼ばれるもので、業界最低水準の信託報酬を目指し続けるシリーズです。
低コスト実現のため購入前に確認する交付目論見書は電子のみとしたり、購入できるのはネット証券での取引に限定したりしています。
そのため、信託報酬が0.05775%と非常に安くなっています。
②全世界に投資できる
オルカンはインデックスファンドであり、ACWIという指数への連動を目指しています。
先進国(23カ国)と新興国(24カ国)の株式約3,000銘柄で構成され、世界の株式市場の約85%をカバー。
現在は米国が全体の62.3%を占め、日本は5.5%、英国は3.7%となっていますが、新興国がさらに成長すれば比率は大きく変わります。
③伸びる国を予想しなくて良い
以下のグラフは世界の株式市場の国別割合を示したものです。
1980年代は日本、2010年代は米国の株式が好調でしたが、どの国が伸びるかは分かりません。
オルカンは時価総額加重平均を用いており、時価総額の高い企業ほど組入比率が大きくなります。
成長した国は自然と組入比率が大きくなるので、どの国が伸びるかを予想する手間が省けます。
④指数との乖離が小さい
オルカンはACWIに連動することを目指していますが、全てのインデックスファンドが指数とブレることなく連動するわけではありません。
指数を再現する過程では、以下のようなコストがかかります。
- 人件費
- 売買手数料
- 監査報酬
オルカンは総経費率が0.15%で、ACWIに連動する投資信託としては最安級となっています。
投資信託を選ぶ上で実際に指数と連動しているかは重要ですが、オルカンに関しては特に問題ないでしょう。
⑤純資産総額がトップクラス
純資産総額は組み入れられている株式や債券など資産の時価総額のことで、投資信託の規模を表します。
純資産総額が多いほど多くの人から投資されていることを意味します。
投資信託は全部で約6,000本ほどありますが、オルカンの純資産総額は3兆1000億円で2番目に多いです。(2024年5月時点)
多くの投資家から投資されていることから、オルカンの信頼性は非常に高いと言えます。
⑥利回りが高水準
オルカンの利回りは以下のとおり。
【オルカンの利回り】
- 2018年:-7.5%
- 2019年:26.8%
- 2020年:9%
- 2021年:32.7%
- 2022年:-5.6%
- 2023年:19.6%
- 平均:12.5%
また、ACWI(オルカンが目標としている指数である)の利回りは以下のとおり。
1988年から2023年までの各年の利回り
- 1988年:28.1%
- 1989年:35.3%
- 1990年:-21.1%
- 1991年:10.2%
- 1992年:-4.2%
- 1993年:11.7%
- 1994年:-6.3%
- 1995年:24.1%
- 1996年:26.8%
- 1997年:29.6%
- 1998年:6.0%
- 1999年:14.2%
- 2000年:-3.6%
- 2001年:-3.2%
- 2002年:-26.9%
- 2003年:21.7%
- 2004年:10.4%
- 2005年:28.3%
- 2006年:22.6%
- 2007年:5.1%
- 2008年:-52.9%
- 2009年:39.6%
- 2010年:-1.2%
- 2011年:-11.8%
- 2012年:31.7%
- 2013年:49.9%
- 2014年:20.0%
- 2015年:-2.1%
- 2016年:5.5%
- 2017年:20.0%
- 2018年:-12.4%
- 2019年:28.6%
- 2020年:11.2%
- 2021年:31.9%
- 2022年:-6.1%
- 2023年:34.3%
平均利回りは8〜10%と言えるでしょう。
なお、マイナスである年も複数存在し、元本割れする可能性はあります。
⑦最も効率的な投資手法である
現代ポートフォリオ理論は、株や債券などで構成されるポートフォリオのリスクとリターンを研究するための理論です。
この理論を作り上げたハリー・マーコウィッツはノーベル経済学賞を受賞しており、ノーベル賞に認められた理論と言えます。
この理論では「全てのリスク資産からなる時価総額加重平均ポートフォリオが最も効率的」と結論づけています。
効率的とは小さいリスクで大きなリターンを得るということです。
オルカンは時価総額加重平均を用いており、現代ポートフォリオ理論の結論とほぼ同じと言えます。
新NISAにおすすめのポートフォリオ
新NISAにおすすめのポートフォリオは以下の3パターン
- オルカン
- オルカン+インド
- オルカン+国債
①オルカン
1つ目はオルカン100%のポートフォリオです。
オルカン1本で先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄に投資でき、手数料も最安水準です。
全世界株式はオルカン以外にもありますが、成果はほとんど変わらない上に手数料もかかります。
オルカン一本でも十分に分散は効いているので、わざわざ他の全世界株式を買う必要はありません。
さらに、万が一オルカンの運用が停止となったら投資額は全て返却されます。
返却されたら別の全世界株式を購入すれば良いでしょう。
オルカンの手数料
- 売買手数料:無料
- 信託財産留保額:無料
- 信託報酬:0.05775%
- その他:0.03%
- 実質コスト:0.08775%
オルカンの過去の利回り
- 2018年:-7.5%
- 2019年:26.8%
- 2020年:9%
- 2021年:32.7%
- 2022年:-5.6%
- 2023年:19.6%
- 平均:12.5%
また、オルカンが目標としている指数であるACWIの過去の利回りは以下のとおり。
- 過去5年:17.6%
- 過去10年:13.2%
- 過去15年:15.3%
- 過去20年:9.9%
- 過去30年:8.7%
②オルカン+インド
2つ目はオルカンとインド株を組み合わせたポートフォリオです。
インドは新興国の中でも今後大きく経済成長する国として注目を集めています。
【インドが注目される理由】
- 人口世界一
- GDPが世界3位になる
- 生産年齢人口の増加
- 株式市場が右肩上がり
ですが、オルカンではインド株が1〜2%ほどしか含まれていないので、インド株の割合を増やしたいならインド株型投資信託を購入すると良いでしょう。
なお、インド株は不安定でリスクも高いため、ポートフォリオに1割〜2割ほど組み込むのがおすすめです。
③オルカン+国債
3つ目はオルカンと国債を組み合わせたポートフォリオです。
オルカンは株式100%で構成されているので、大規模な経済危機が起きると暴落することがあります。
2008年のリーマンショック時にACWI(オルカンが目標とする指数)のリターンは-53%を記録しました。
ですが、国債は経済危機が起きても下落しにくくなっています。
以下の画像は米国債の価格の推移です。
一時的に価格が下落することはありますが、長期的に見ると価格がほぼ横ばいとなっています。
株式と国債の両方を持つことで暴落時にも強いポートフォリオを作ることが可能です。
ただ、リーマンショックのような経済危機が起きると債券を組み入れてもそれなりに下落します。
おすすめの債券型投資信託
おすすめの債券型投資信託は、オルカンと同じ三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」です。
この投資信託は「FTSE世界国債インデックス(除く日本)」に連動することを目標としています。
また、国債は信用格付けによってレベル分けされていますが、投資適格債(Baa〜Aaa)のみが対象です。
【国債の信用格付け】
- Aaa
- Aa
- A
- Baa
- Ba
- B
- Caa
- Ca
- C
つまり、日本を除く先進国の信用できる国債にのみ投資を行っています。
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスの手数料
- 購入時手数料:無料
- 信託財産留保額:無料
- 信託報酬:0.154%
- その他:0.01%
- 実質コスト:0.164%
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスの過去の利回り
- 2017年:7.9%
- 2018年:-3.9%
- 2019年:5.2%
- 2020年:4.9%
- 2021年:3.8%
- 2022年:-4.9%
- 2023年:10.8%
- 平均:3.14%
投資信託の買い方
投資信託の買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
多くのネット証券ではNISA口座での取引手数料が無料になったので、使用するクレジットカードによって証券口座を選ぶと良いでしょう。
NISA口座(非課税口座)とは?
証券口座には課税口座(一般口座と特定口座)とNISA口座(非課税口座)があります。
課税口座で投資を行い利益を得たら20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資を行えば税金がかかりません。
- 三井住友カード利用者:SBI証券
>> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 - 楽天カード利用者:楽天証券
>> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 - au PAY カード利用者:auカブコム証券
>> auカブコム証券のメリット・デメリットについて - dカードまたは上記3つ以外のカード利用者:マネックス証券
>> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説
クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
なお、マネックス証券のポイント還元率は1.1%とトップクラスの還元率を誇ります。
三井住友カードや楽天カード、au PAY カードを持っていない方は、マネックスカードを作成してマネックス証券を利用すると良いでしょう。
②投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
まとめ
今回は新NISAにおすすめのポートフォリオについて解説しました。
- 新NISAはオルカンを中心に投資すべき
- 新NISAにおすすめのポートフォリオ
- 投資信託の買い方