・オルカンはおすすめしないと言われる理由は?
・やめといた方が良い?
このような悩みに答えます。
- オルカンはおすすめしないと言われる理由
- オルカンはおすすめ?
- 投資信託の買い方
- オルカンに関するQ&A
「オルカンをおすすめしない理由は?」と悩んでいませんか?
結論から言うと、オルカンはおすすめです。
オルカン一本で先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄に投資でき、手数料も最安級です。
本記事ではオルカンをおすすめしないと言われる理由やおすすめする理由について解説します。
なお、投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
三井住友カード利用者 | SBI証券 >> SBI証券のメリット・デメリットについて解説 |
楽天カード利用者 | 楽天証券 >> 楽天証券のメリット・デメリットについて解説 |
au PAY カード利用者 | auカブコム証券 >> auカブコム証券のメリット・デメリットについて解説 |
dカードまたは上記3つ以外のカード利用者 | マネックス証券 >> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説 |
オルカンはおすすめしないと言われる理由
オルカンはおすすめしないと言われる理由は以下の6つ。
- S&P500よりもリターンは低い
- 個別株ほど大きな成果を得られない
- リスクの高い新興国が含まれる
- 株式100%で構成されている
- 為替の影響を受ける
- 楽天オルカンよりも信託報酬が高い
①S&P500よりもリターンは低い
オルカンとS&P500の過去のリターンの比較は以下のとおり。
期間 | ACWI | S&P500 |
過去1年 | 34.3% | 35% |
過去3年 | 20% | 23.8% |
過去5年 | 17.6% | 20.9% |
過去10年 | 13.2% | 16.8% |
過去15年 | 15.3% | 18.6% |
過去20年 | 9.9% | 11.5% |
過去30年 | 8.7% | 11.2% |
- 参考サイトはmyINDEX
- オルカンは2018年にリリースされた投資信託なので、2018年以前はACWI(オルカンが目標とする指数)のデータを使用
オルカンとS&P500を比較すると、S&P500の方がリターンが大きいことが分かります。
ただ、過去30年間は米国が好調であっただけで、今後どうなるかは分かりません。
S&P500は米国企業上位500社を集めたもので分散性が低いため、リターンと同時にリスクも高いです。
②個別株ほど大きな成果を得られない
個別株の方が成果が大きく、オルカンは分散されているため成果は個別株より低くなります。
過去にGAFAだけに投資していたら大きな成果を得られたでしょう。
ただ、分散しているからこそリスクも低く、個別株はリスクが高いです。
③リスクの高い新興国が含まれる
オルカンには先進国と比較してリスクの高い新興国も含まれています。
ただ、リスクの高い新興国は外れることがあり、2024年には多くの中国株が除外されました。
今後も業績の悪い企業の株式は外されるでしょう。
④株式100%で構成されている
オルカンは約3,000の銘柄で構成されていますが、経済危機が起きると影響を受けます。
以下のグラフはACWI(オルカンが目標としている指数)の2008年〜2023年における利回りの推移です。
2008年のリーマンショック時にはドル建てで-40%、円建てで-50%を記録していることが分かります。
どれだけ銘柄数が多くても大規模な経済危機が起きた場合、株式である以上大幅に下落してしまうのです。
⑤為替の影響を受ける
オルカンの6割は米国の株式が占め、日本の割合は5%ほど。
ほぼ外国株で構成されているので為替の影響を受け、特にドルの値動きに左右されます。
円安であった2013年と2021〜2023年には円建てでの成果が大きく、円高が進んだ2010年はドル建てよりも成果が小さくなっています。
特に直近3年間でオルカンの成果が好調なのは円安のおかげです。
⑥楽天オルカンよりも信託報酬が高い
信託報酬は投資信託の主な手数料です。(実際は信託報酬以外にも手数料がかかります。)
また、楽天オルカンは楽天投信投資顧問が運用する「楽天オールカントリー株式インデックスファンド」という投資信託です。
オルカン | 楽天オルカン |
0.05775% | 0.0561% |
信託報酬は楽天オルカンの方が低いです。
とはいえ、楽天オルカンは2023年に運用が開始された投資信託で、運用実績はまだ出ていません。
オルカンは5年以上の運用実績があります。
オルカンはおすすめ?
オルカンはおすすめです。
オルカンをおすすめする理由は以下の7つ。
- 最安級の信託報酬
- 全世界に投資できる
- 伸びる国を予想しなくて良い
- 指数との乖離が小さい
- 純資産額がトップクラス
- 利回りが高水準
- 最も効率的な投資手法である
①手数料が安い
オルカンは三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託のうち、eMAXIS Slimシリーズと呼ばれるもので、業界最低水準の信託報酬を目指し続けるシリーズです。
低コスト実現のため購入前に確認する交付目論見書は電子のみとしたり、購入できるのはネット証券での取引に限定したりしています。
そのため、信託報酬が0.05775%と非常に安くなっています。
②全世界に投資できる
オルカンはインデックスファンドであり、ACWIという指数への連動を目指しています。
先進国(23カ国)と新興国(24カ国)の株式約3,000銘柄で構成され、世界の株式市場の約85%をカバー。
現在は米国が全体の62.3%を占め、日本は5.5%、英国は3.7%となっていますが、新興国がさらに成長すれば比率は大きく変わります。
③伸びる国を予想しなくて良い
以下のグラフは世界の株式市場の国別割合を示したものです。
1980年代は日本、2010年代は米国の株式が好調でしたが、どの国が伸びるかは分かりません。
オルカンは時価総額加重平均を用いており、時価総額の高い企業ほど組入比率が大きくなります。
成長した国は自然と組入比率が大きくなるので、どの国が伸びるかを予想する手間が省けます。
④指数との乖離が小さい
オルカンはACWIに連動することを目指していますが、全てのインデックスファンドが指数とブレることなく連動するわけではありません。
指数を再現する過程では、以下のようなコストがかかります。
- 人件費
- 売買手数料
- 監査報酬
オルカンは総経費率が0.15%で、ACWIに連動する投資信託としては最安級となっています。
投資信託を選ぶ上で実際に指数と連動しているかは重要ですが、オルカンに関しては特に問題ないでしょう。
⑤純資産総額がトップクラス
純資産総額は組み入れられている株式や債券など資産の時価総額のことで、投資信託の規模を表します。
純資産総額が多いほど多くの人から投資されていることを意味します。
投資信託は全部で約6,000本ほどありますが、オルカンの純資産総額は3兆1000億円で2番目に多いです。(2024年5月時点)
多くの投資家から投資されていることから、オルカンの信頼性は非常に高いと言えます。
⑥利回りが高水準
オルカンの利回りは以下のとおり。
【オルカンの利回り】
- 2018年:-7.5%
- 2019年:26.8%
- 2020年:9%
- 2021年:32.7%
- 2022年:-5.6%
- 2023年:19.6%
- 平均:12.5%
また、ACWI(オルカンが目標としている指数である)の利回りは以下のとおり。
1988年から2023年までの各年の利回り
- 1988年:28.1%
- 1989年:35.3%
- 1990年:-21.1%
- 1991年:10.2%
- 1992年:-4.2%
- 1993年:11.7%
- 1994年:-6.3%
- 1995年:24.1%
- 1996年:26.8%
- 1997年:29.6%
- 1998年:6.0%
- 1999年:14.2%
- 2000年:-3.6%
- 2001年:-3.2%
- 2002年:-26.9%
- 2003年:21.7%
- 2004年:10.4%
- 2005年:28.3%
- 2006年:22.6%
- 2007年:5.1%
- 2008年:-52.9%
- 2009年:39.6%
- 2010年:-1.2%
- 2011年:-11.8%
- 2012年:31.7%
- 2013年:49.9%
- 2014年:20.0%
- 2015年:-2.1%
- 2016年:5.5%
- 2017年:20.0%
- 2018年:-12.4%
- 2019年:28.6%
- 2020年:11.2%
- 2021年:31.9%
- 2022年:-6.1%
- 2023年:34.3%
平均利回りは8〜10%と言えるでしょう。
なお、マイナスである年も複数存在し、元本割れする可能性はあります。
⑦最も効率的な投資手法である
現代ポートフォリオ理論は、株や債券などで構成されるポートフォリオのリスクとリターンを研究するための理論です。
この理論を作り上げたハリー・マーコウィッツはノーベル経済学賞を受賞しており、ノーベル賞に認められた理論と言えます。
この理論では「全てのリスク資産からなる時価総額加重平均ポートフォリオが最も効率的」と結論づけています。
効率的とは小さいリスクで大きなリターンを得るということです。
オルカンは時価総額加重平均を用いており、現代ポートフォリオ理論の結論とほぼ同じと言えます。
投資信託の買い方
投資信託の買い方は以下のとおり。
- 証券口座を開設する
- 投資信託を積立購入する
①証券口座を開設する
投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
多くのネット証券ではNISA口座での取引手数料が無料になったので、使用するクレジットカードによって証券口座を選ぶと良いでしょう。
NISA口座(非課税口座)とは?
証券口座には課税口座(一般口座と特定口座)とNISA口座(非課税口座)があります。
課税口座で投資を行い利益を得たら20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資を行えば税金がかかりません。
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dカードまたは上記3つ以外のカード利用者 | マネックス証券 >> マネックス証券のメリット・デメリットについて解説 |
クレジットカードで積立するとポイントが還元されます。
なお、マネックス証券のポイント還元率は1.1%とトップクラスの還元率を誇ります。
三井住友カードや楽天カード、au PAY カードを持っていない方は、マネックスカードを作成してマネックス証券を利用すると良いでしょう。
②投資信託を積立購入する
証券口座を開設したら投資信託を積立購入します。
つみたて投資枠、成長投資枠とは?
新NISAでは、年間投資枠120万円の「つみたて投資枠」と年間投資枠240万円の「成長投資枠」が設けられています。
つみたて投資枠ではつみたて投資のみ行えますが、成長投資枠では一括投資とつみたて投資の両方が可能です。
そのため、つみたて投資に年間最大360万円あてることもできます。
なお、新NISAにおける非課税保有限度枠は1,800万円であり、最短5年で全ての枠を埋められます。
オルカンに関するQ&A
オルカンとS&P500どっち?
過去30年のパフォーマンスはS&P500の方が良いですが、どっちかで迷ったらオルカンをおすすめします。
長期的な視点で見ると、どの国の株式が好調になるかは時期によって異なり、例えば1980年代は日本、2010年代は米国の株式が大きく伸びました。
しかし、未来にどの国が経済成長を遂げるかを予測するのは難しいため、グローバル分散投資がリスク管理に役立つと言えます。
オルカンは時価総額加重平均を用いた投資信託であるため、企業の時価総額が大きいほどその組入比率が高くなります。
これにより、成長した国や企業は自然と組入比率が増加し、個別の国や企業の成長を予測する手間を省くことが可能です。
現在は米国が全体の62.3%を占め、日本が5.5%、英国が3.7%といった構成ですが、今後もし新興国が急成長すれば、この比率は大きく変動します。
このように、オルカンは国際分散投資の観点で魅力的な選択肢であり、リスクを抑えながら成長する可能性のある市場へ自動的に対応することが可能です。
詳しくは「【徹底比較】オルカンとS&P500どっちに投資すべき?」をご覧ください。
オルカンとS&P500両方はあり?
オルカンとS&P500の両方に投資するのはおすすめしません。
オルカンの約60%は米国の株式で構成されているため、S&P500に追加で投資すると、米国株への偏りが一層強くなります。
オルカンの最大の魅力は、全世界に分散投資できる点にあり、この広範な分散があるからこそ、リスクを低減し、さまオルカンが持つ「全世界に分散」という特徴が損なわれてしまいます。
さらに、投資信託は保有しているだけで信託報酬という手数料が発生し、コストが無駄に増加する可能性があります。
したがって、コストと投資効率を考慮するならば、オルカンを選択することで、全世界に分散しつつ、無駄なコストを抑えることができるでしょう。
ただ、投資の心理的な安心感や米国株の比率をさらに高めたいといった場合には、オルカンとS&P500の両方へ投資するのも一つの選択肢です。
詳しくは「【徹底比較】オルカンとS&P500の両方に投資するのはあり?」をご覧ください。
オルカンだけでいい?
オルカン一本で47の国や地域、約3,000の銘柄に投資可能です。
また、オルカン以外にも全世界株式はありますが、リターンは大差ないことに加え、複数保有すると余計に信託報酬がかかります。
特にこだわりがなければ、オルカンだけでも良いでしょう。
詳しくは「オルカンだけでいい?集中投資するリスクと対策について解説」をご覧ください。
オルカンの買い時は?
長期投資前提なのであれば、今すぐ購入することをおすすめします。
円安などの為替リスクは今後も起こり得ますし、長期投資であれば誤差の範囲です。
詳しくは「オルカンの買い時はいつ?おすすめの購入方法についても解説」をご覧ください。
オルカンに投資したらどうなる?
過去のデータを見ると、投資期間が10年の際は元本割れしたケースがいくつか存在しました。
これは、短期的には市場の変動によってリターンが大きく揺れる可能性があることを意味しています。
しかし、20年や30年といった長期的な視点で見ると、元本割れする期間が見られませんでした。
つまり、長期間にわたって投資を続けることで、リスクを大幅に低下させ、安定したリターンを得る可能性が高くなるということです。
これはオルカンに限ったことではなく、一般的に長期間の投資を行うことでリスクを大幅に下げられます。
そのため、オルカンに投資する際には、短期的な市場の変動に左右されず、長期的な視点を持って投資を検討することが重要です。
詳しくは「新NISAでオルカンに投資した場合のシミュレーションについて解説」をご覧ください。
まとめ
今回はオルカンはおすすめしないと言われる理由やおすすめである理由について解説しました。
- オルカンはおすすめしないと言われる理由
- オルカンはおすすめ?
- 投資信託の買い方
- オルカンに関するQ&A
オルカンは全世界に投資できるので、伸びる国を予想する手間が省けます。
また、時価総額加重平均型なので、成長した企業の割合が自然と大きくなります。
特にこだわりがなければオルカンがおすすめです。
なお、投資信託を購入するには証券口座を開設する必要があります。
まだ口座を開設していない方はこれを機に開設しておきましょう。
【おすすめのネット証券】
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